「良い加減の投資法」66 -「食品ロス」編 –

こんにちは、金融・投資 教育コサルタントの須原光生です。

最近までの長い間、何気なく無責任な対応を続けていたことを反省し、日々懺悔の気持ちで暮らしております。実は、「消費期限」と「賞味期限」を、そんなに違いもないだろうとの認識で、しっかり確認することもなく、表示してある期限が数日でも過ぎると、その食品を躊躇することなく廃棄していたのです。皆さんはどうですか、違いをしっかり理解して対処していますか?

あるテレビ番組を見ていると、「消費期限」と「賞味期限」の違いを解説していて、正直“目からウロコ”でした。「消費期限」は、品質の劣化が早い食品に表示されていて、期限を過ぎたら食べないほうが安全であることを意味していて、「賞味期限」は、長期保存ができる食品に表示されていて、期限を過ぎてもすぐに食べられなくなるのではなく、美味しく食べられる事を保証する期間を意味していたのです。

その番組は、世界的に問題になっている「食品ロス」の特集番組だったのです。「食品ロス」とは、小売店での売れ残り・期限切れ、製造過程で発生する規格外品、飲食店や家庭での食べ残し・食材の余りなどが主な原因で、食べられる状態であるにもかかわらず廃棄される食品のことです。つまり食品がムダになってしまうことで、私は今までどれ程の「賞味期限」の表示食品をムダにしていたことでしょうか。

現在、世界的に生産される全食糧のうち、3分の1~2分の1が食べられずに廃棄されているらしく、「食品ロス」は、世界の飢餓人口10億人の食糧をまかなえる量だといいます。また、日本も例外ではなく、環境省によると2015年における、国内の食品廃棄物は2842万トンにも上り、そのうち「食品ロス」に該当するのは646万トンにもなり、非常に“もったいない”事態です。

日本は食糧の多くを輸入に頼っているのに、食品をバンバン廃棄している状況です。このことは、発展途上国に対し人道的な問題があると同時に、経済的にも企業や家庭へ大きなマイナスを生み出し、環境問題の観点からも決して放置しておけない問題です。私を含め食生活の中で、食品のムダをできるだけ少なくする、意識と行動が重要課題といえます。

一方、良い加減投資にとっても「食品ロス」は決して無視できません。これをビジネスチャンスと捉える企業も存在します。例えば、食品の賞味期限を伸ばすには、食品を酸化させる酸素を通さない、食品用フィルム防酸化フィルムを手掛けているクラレや三菱ケミカルHD、ガスバリア性をもつ食品フィルムの大倉工業、食材発注システム関係や対策に積極的企業なども益々増加しています。

今後、社会的なニーズも高まり、政府や地方自治体も後押ししてくる可能性もある投資テーマといえそうです。「食品ロス」関係企業から今までの「投資ロス」が減少できそうですよ。

なお、くれぐれも古くなり過ぎた食品を食べて「健康ロス」は禁物です。何事もほどほどに。