「良い加減の投資法」70 -「ペット」編 –

こんにちは、金融・投資 教育コサルタントの須原光生です。

最近、同級生の夫婦に何年かぶりで会ったにも関わらず、二人とも元気なく、何か落ち込んでいる様子なので、「まさか離婚?それとも病気?」。原因を聞くと、元々子どもがいない夫婦で、10年前に室内犬を飼い始め、子どものように可愛がっていた“トニー”が病気で亡くなり、心にポカーンと穴が開いたような気持ちで、毎日淋しく暮らしているからだそうです。皆さんは心情を理解できますか?私は経験がないので・・

その場で、スマホから高額のブランド服を着せ、可愛くヘアーカット、風呂場で泡だらけ、部屋にはたくさんの玩具、食事は無添加中心フード、ベッドやソファでの抱擁、外食や旅行も常に一緒、最後に病気、葬式、お墓までの大量の写真や動画を映し出しながら、思い出話しを語っていると二人とも涙ぐんできて、まさに世間で良く聞く、子どもいやそれ以上の「ペット」への溺愛の実態を垣間見ることができました。

同級生が印象深かったためペット関連規模を調べると、矢野経済研究所は、2017年度の総市場は小売金額で1%増の約1兆5000億円の見込みで、18年度以降は毎年1%以上の増加率を予測しています。犬・猫合わせた飼育頭数は近年、頭打ち傾向にあるのに対し、ペット1頭当たりに費やす金額は増加傾向で、ペットの高齢化などに伴う新たなビジネスも続々と誕生しており、今後も市場の拡大は続く予想です。

ペット産業の内訳は、①ペットフード市場、②ペット用品市場、③ペット生体販売市場、と大きく3つの市場に分かれています。ペットの小型化と室内飼育も増え、特に最近のネコ人気がもたらす経済効果は「ネコノミクス」と呼ばれるくらい絶大で、キャットフードやサプリメント、キャットタワーやキャットハウス、トイレシートなどの衛生用品、匂いの残らない猫砂など、他のペットも含め拡大の一途です。

また、新たなビジネス分野では、動物医療の高度な病院・高額医療費対策のペット保険・ペットが快適に暮らせる共生住宅・ペットの受け入れ可能な賃貸住宅・老犬ホーム・ペットと泊まれるホテル・同伴できるカフェ・しつけや訓練のスクール・雑誌出版やメディア出演での癒し・ペットレンタル・ペットロボット・ペット旅行・ペットシッター・お葬式・お墓などのビジネスも高まる気配があります。

改めて「ペット」産業を覗いてみて、私たちの高齢、少子、単身、癒し社会を反映したビジネスが多く、その社会は進化あるのみなので、間違いなく「ペット」産業も発展していくことにつながります。「ペット愛」を持たずとも、生きた“ペット関連株”を「株愛=ペット」にすることが、将来、しっかり富の癒しを得るかもしれませんよ。

実は、私は同級生から「ペット」と言われた時、直ぐに頭に浮かんだのは、がんを検査する方法の一つの「PET=ペット」でした。「自分愛」の健康あっての「ペット愛」もお忘れなく!