「NIKKEIプラス1から読み解く由美子流うんちく VOL.3 江戸時代の歯ブラシは?」

和ごころコンシェルジュの裏野 由美子です。

さて、みなさんは「黒文字」というものをご存知ですか?

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「黒文字」とは、クスノキ科の落葉低木で、和菓子を頂くときについてくる楊枝や
料理屋さんなどで爪楊枝として使われており、枝の斑点が黒い文字に見えるので、
楊枝自体を「黒文字」と呼んでいる。

2016年8月6日付けのNIKKEIプラス1に、この「黒文字」が江戸時代に、なんと歯ブラシ
として使われていたとの事!!

「房楊枝」といって木の枝の先端を裂き房状にして歯を磨き、柄の部分で舌苔をこすり
落としていたそうだ。
朝起きて歯を磨き舌をこすることが、身を清める習慣として江戸の町の庶民に定着、歯の
白い男は伊達男であり、吉原の遊女にモテたい為に歯を磨いていたらしい。

いつの時代も男ってといいたいが・・・歯磨きをしているかどうかで江戸っ子かそうで
ないかも見分けたらしい。

そういえば、お客様で食事の後に「黒文字」をしがんで先をぐちゃぐちゃにする方がいらっ
しゃったので、「ちょっと下品!」と思いながらお聞きすると「黒文字には整腸作用があるから、
しがむと良い!」との事。調べると効果として、鎮痙・胆汁分泌・殺菌・安眠・免疫活性・消臭
など様々な作用があり、歯ブラシにするにはもってこいの素材だった訳だ!
ちなみに既婚女性のお歯黒も虫歯予防の効果があったというからおもしろい。

江戸時代の人達は歯ブラシに「黒文字」を使っただけでなく、歯磨き粉まで作っていたという
から驚きだが、江戸時代の人達の「身だしなみ」に関する意識の高さは見習わねばと思う。

さすがに、和菓子を頂いた後に黒文字をしがむのはちょっと私にはできないので、
当庵の口腔環境アドバイザー小川さんにMy歯ブラシを選んで頂こうっと!!

江戸時代が面白いので、次回もお江戸のお話を