「NIKKEIプラス1から読み解く由美子流うんちく VOL.8 ハレの外食 覚えておきたい食事マナー」

和ごころコンシェルジュの裏野由美子です。

本日は、主人と共に営んでおります「和処 Re 楽」にて、和食の作法セミナーを開催しました。
今回ご参加の皆様には着物でお越しいただき、講義の後に実際に会席料理を召し上がっていただく実践講座です。
まずは和食と洋食の違い、身嗜みや器の扱いかた・箸使いについてお話しました。

実際に食べながら説明を聞くと分かりやすいと大好評でした!!

さて、11月12日付けの「NIKKEIプラス1」にちょうど「ハレの外食 覚えておきたい食事マナー」という記事が
一面に出ていました。

今回の和食の作法セミナーにどんぴしゃりな記事ですね。

食事の作法はもちろん知っておくに越したことはないですが、記事にもあるように
「食事のマナーは店や同席した人への思いやり」が大切です。

同席者を敬い気遣えば正式なマナーを知らなくても自然とマナーどうりに振る舞っていることも多いのですが、
同席者や店の人だけでなく器にも気を使っていただけると、店側としてはありがたいです。

というのも「NIKKEIプラス1」の記事は皆さんの知らなかったマナーをランキングしており
第7位の「蓋つきの器の蓋を食べ終わった後、どこに置けばいいかわからない」ということに対して
「飲み終わった汁物のお椀の蓋は戻して奥に」と書かれています。

蓋つきの器の扱いは、食べ終わったら初めの状態に戻すのがマナーです。

「食べ終わったかどうかお店の人が分からない」からと、蓋を裏返してお椀の上に戻される方がいらっしゃいます。

気を遣っていただくのはとても有難いのですが、お椀の蓋にはきれいに絵付けがされていますので、
ひっくり返して置くと絵に傷が付く場合があります。

食べ終わったかどうかは店側は時間や器の位置からわかりますので、蓋物の器は食べ終わったら、初めの状態に戻す。
このマナーは覚えていて損はないですよ。

もう一つ気になるのが、お料理を運んだ際お料理の説明をしたいのですが、話に夢中になっているお客様がいらっしゃいます。
会席料理を食べ慣れている方は、料理が運ばれた際、話を中断しこちらの説明を待ってくださいます。
こちらもそのようなお客様には、料理の説明だけでなく何故その呼び名がついているのかまで説明したくなります。

例えば「本日の焼物は、しまあじの幽庵焼きでございます。」だけでなく、
幽庵焼きというのは茶人の北村幽庵というものが懐石料理の中で好んで使った、
醤油をベースにしたタレに魚を漬け込んで焼いたものです。

「西京焼き」が味噌をベースにしているのに対して「幽庵焼き」は醤油をベースにしたものです。
などと少しうんちくもお伝えします。

もちろん、とても重要なお話をされているな、という場合ははじめに料理を出す際に少し説明するか
説明も不要な場合もありますが・・・臨機の対応が必要ですね。

このように食事のマナーはたくさんありますが、「相手を気遣う心」が大切だとお話しました。
厄介なのがマナーの出来ている人は、相手を気遣うので、マナーの出来ていない人に対して、
「あなたマナーがで出来ていませんよ!」とは言いません。
お店にも「接客態度が悪いですよ!」とは言いません。

文句を言ってくださる方はまだ対処のしようがあるのですが・・・

私は、次回も誘ってもらったり、もう一回お越しいただけたらとりあえず気にいって頂けたかなと判断しています。

ちょっとした心遣いが分かれ道です。