たからもの

小学校1年生のとき、「自分の宝物を一つ持ってきて、その理由を発表する」という課題がでた。
私は教室に着くまですっかり忘れていて、母がランドセルに付けてくれていた「お守り」と答えてその場を乗り切った。
それ以来、自分にとっての「宝物」について考えることがしばしばある。

薬師寺管主(現在は薬師寺長老)の山田法胤(やまだほういん)師が、「宝物」とは「田からもの」というお話しをされていたと聞いたときは、深く頷いた。汗をかき田んぼを耕し、手間と愛情をかけて育てたお米は、まさに「田からもの」である。

「たから」を調べると、「宝、財、貨」とあり、「世の中に数少なく特に貴重なもの。宝物、財宝、財産、金銭」(デジタル大辞泉より)と書かれている。考えてみると、税をお金で納めるようになったのは明治時代になってからで、昔は、お米を年貢として納めていた。お米は、宝、財、貨だったのだ!

最近、日本では「田からもの」をいただく人や量が減っている。
「田からもの」を作る担い手も不足している。
身近な「宝物」がどんどん減っていく現状はもったいないことである。
だから…
宝物を探しに、田んぼへ行こう!と私は思う。

美しい暮らし研究家 あきやまひろみ
お米道楽 https://www.facebook.com/okomedouraku/