「良い加減の投資法」㊳ -「相続」編 -

こんにちは、金融・投資 教育コンサルタントの須原光生です。

最近、一般男女の方々向けに、「争わないための相続についての考え方」セミナーの講師をしてきました。年配者が多かったのですが、「自分は当分の間、亡くならないだろう」、「亡くなっても、我が家は揉めることはないだろう」など、非常に相続に関して他人事のように気楽に思われている人が多いように感じました。

“あなたが亡くなった場合”、法律の規定によって相続人となる法定相続人は誰?何人?その相続の優先順位は?相続人同士の権利の割合である法定相続分は?財産の額は?財産の評価の仕方は?財産の分け方は?遺言書は?などの質問に対して、すぐに答えられず、だんだん困った顔になっていったのが、講師として逆に心地良くなったのが印象的でした。

“子どもがいる夫婦で夫が亡くなった場合”、妻の法定相続分は2分の1という知識はあるのですが、日ごろから「私の財産は私のモノ」、「夫の財産は私のモノ」感覚?ですので、いざという時は全て自分の思う通りになると思っている人が多いのが現状です。しかし、子どもが思いもよらない法定相続分の権利を主張してきた場合どうしますか?子どもの権利は強いですよ!

意外だったのは、“子どもがいない、夫の親がいる夫婦で、夫が亡くなった場合”の妻の法定相続分は3分の2で、親が3分の1の権利があるという知識や、“子どもがいない、夫の親がいない、夫に兄弟姉妹がいる夫婦で、夫が亡くなった場合”の妻の法定相続分は4分の3で、兄弟姉妹が4分の1の権利があるという知識がない人の多さに驚き、同時にその対象者は、夫婦以外に権利が発生することに驚かれたようです。

私らしいことで、上場株式が相続財産になった場合の金額の算出方法を説明しますと、亡くなった日の①終値、②当月の終値の月平均額、③前月の終値の月平均額、④前々月の終値の月平均額、4つのうち、いずれか低い金額になります。株式は値動きが激しいため、亡くなった日の終値でだけで決めてしまうことが、合理的でないからです。ただ、財産が複数社になり、4つの株価を調べるのは相当な労力が必要になります。

相続に関係する一例を挙げましたが、いずれにしても財産は持っては逝けません。多い少ないに拘わらず、相続人同士の「争う族」が急増しています。いざというときのため、上記した、“あなたが亡くなった場合”の質問に対して、全て答えられるよう、待ったなし、早急に知識を広めて準備をしてください。

なお、財産をこれから作る人の投資先は、財産の運用や管理に携わっていた投資家の資金が「円満相続」で引き出されず、ますます相続人の財産を「創続」することに徹し、頑強な業態になることを祈念して、株価が低空飛行を続けている「金融機関株」を推奨しておきます。

夫婦・親子等々がハッピー保障になる財産の相続方法は、お互いに「思いやり」を持つことで「想族」になること間違いなしです!!