「良い加減の投資法」㊺ -「経営者」編 -

こんにちは、金融・投資 教育コサルタントの須原光生です。

先日、IR(投資家向けの広報活動)セミナーで、日本を代表するカリスマ経営者である、日本電産の永守重信会長兼社長(74)の講演を聞く機会に恵まれました。威風堂〃と歯に衣着せぬ、痛快な関西弁で会社の未来像を熱弁され、“これぞ経営者!” 正直、惚れ惚れする講演で、直ぐに会社のファンになりました。

因みに、皆さんが知っている日本のカリスマ経営者は何人いますか?京セラの稲盛和夫氏、ソフトバンクグループの孫正義氏、ファーストリテイリング(ユニクロ)の柳井正氏、ニトリホールディングスの似鳥昭雄氏、楽天の三木谷浩史氏といった名前は、テレビや新聞などで登場することが多くご存じだと思いますが、少し地味に感じる永守重信氏のお名前は知っていましたか?

日本電産は、1973年に社員4名で、精密機器用小型モーターのメーカー経営から始まり、1984年以降M&Aで同じ分野のモーターメーカー57社を次々と買収し、全企業を再生させグループ化していく手法で、直近ではグループ売上高約1.2兆円、従業員数11万人、株式市場規模もトップ25位にランクインする巨大企業に成長しています。製品は、スマホ、PC、家電製品、自動車等々の中の見えないところで活躍していますよ。

参考に「永守3大経営手法」と自らが名付けたオリジナルの経営方法を紹介しておきます。
1.「井戸掘り経営」 井戸をどんどん掘ることによって水が出ることから、経営も同じで、改革・改善のためのアイデアを常に出し続ける。現状に満足せず、常に危機感を持ち、新しいことに挑戦を繰り返すという姿勢が大事。
2.「家計簿経営」 収入に見合った生活をすること。景気が悪くなって実入りが減ったらそれに見合った生活をする。会社経営も経費を収入の範囲内に収め、投資にも目を配ることが大切。
3.「千切り経営」  何か問題が起きたら、それを小さく切り刻んで対処すること。難しい問題も、細かい要素に分けて考えれば、問題解決がしやすくなる。
どれも、極めて当たり前の、言われれば納得できる、家庭株式会社経営の基本にもなりますね。

講演で、今後の方針は、電気自動車(EV)、ロボット、省エネ家電、ドローンの4つの新成長分野に経営資源を集中して、「4つの大波に乗るぞ!」と宣言されていました。4つの分野で超小型から超大型のモーター需要が急増していく、特に当社の高性能モーターが必要不可欠になるため、積極的に増産できる体制を作っていき、益々成長すると述べられていました。

また、「長い目で我が社の株を購入しておきなさい。上記の分野で年々収益アップ→配当金アップ→株価アップになりますよ。」とはっきり、力強く豪語されていました。なお、講演の後日、吉本浩之副社長(50)が次の社長に昇格すると発表があり、暫らくは二人三脚で経営を担っていくようです。

名前の通り「永守=私たちの資産を永く守ってもらえ」、「吉」も加えて、日本電産への投資は・・・・〇

私は恋に落ちて周りが見えない幸せ状態です。
皆さんは改めて自己責任でお願いします!