マネーリテラシー格差

こんにちは。しなやか希業コンシェルジュの小谷晴美です。

先日、全労済主催の生活保障プランナー養成講座にて「税金」と「金融商品」の2科目を担当させていただきました。

主に労働組合の担当者がお集まりくださり、従業員の保障設計相談や知識普及にお役立ていただく目的で、開催されています。

労働組合があるような大手企業では、従業員の資産形成の支援や保障制度も、中小企業に比べると充実しています。

さらに従業員の暮らしのお金について相談ができる場を提供したり、世代別ライフプラン研修などマネー教育も実施されています。

 

会社が個人の資産形成や生活設計に関する教育を行うなど昔は考えられなかったと思いますが、退職金が確定拠出年金に移行するなど「自己責任の時代」と呼ばれるようになり、従業員のマネーリテラシー向上も経営課題となってきました。

私も、外部の専門家として、従業員を対象とした相談業務に携わり、複数の企業の社内制度や取組みを見て参りました。

中には、社員が死亡した場合、一時金として1000万円、子どもがいれば遺児年金として一人3万円を支給するという会社があったり、1カ月の医療費の自己負担上限額が2万5千円という健康保険組合があったり、手厚い社内制度があります。
さらに、従業員と家族を対象にした共済制度に加入することもでき、手軽な保険料で大きな保障を得ることができます。

このように、ただでさえ中小企業に比べると給与水準も高く、福利厚生や社内制度も充実している大企業は、お金に関する相談の機会、マネー情報の提供、教育研修など、従業員のマネーリテラシー向上にも力を入れています。

これでは、ますます大企業と中小企業との経済格差が広がりそうです。

社内制度の充実というハードな面では難しい部分があるかもしれませんが、中小企業の従業員のマネーリテラシー向上というソフト面での対策は可能ではないかと考えます。

マネーリテラシー格差の縮小が、経済格差の広がりを抑える鍵になるのではないでしょうか。

しなやかライフ研究所 代表 小谷晴美