保険業界のイメージを変えたい

生命保険会社にて2日間(12時間)に及ぶ研修を務めさせていただきました。

FP資格を持っている方も多く、またお客様からの質問に答えるため日頃からよく勉強されている方々。
保険の契約や給付のことだけでなく、お客様の身近な相談役として教育資金のことや時には住宅ローンの相談に乗られることもあるそうです。

しかし、所得税や社会保険のこと、教育・住宅・老後などの資金計画、そのために必要な金融商品の知識について体系立てて学ぶ機会はなかったとのことで、点や線が面になるよう学ぶ機会を提供させていただきました。

2日目の朝、「今日は午後から失礼させていただきます」と挨拶に来てくださった方がいました。
担当のお客様が亡くなられたため、葬儀に参列されるとのことでした。
そうそう頻繁にあることではないようですが、こんな時に遺されたご家族が少しでも安心していただけるようにとの思いで参列されるとのことでした。

最近出会う生命保険会社の方は、顧客本位の姿勢を持って誠実に仕事に取り組まれている方が多いように思います。
そして口々におっしゃるのが「保険業界のイメージを変えたい」と言うこと。

正直、私自身もファイナンシャル・プランナーの勉強をする以前は「保険」に対してあまり良いイメージを持っていませんでした。
「保険を販売する人」というだけで、知識がないだけに警戒をしていたように思います。

しかし、そもそも「保険」は助け合いの制度。
万一不幸があった時に、せめて「経済的不安」だけでも「安心」に変えられるよう、皆で互いをサポートし合う仕組みです。
暮らしのリスクを「安心安全」に変えるための知恵から生まれた助け合いの制度が、なぜ好ましくないイメージを持たれてしまったのでしょう。

これには色々な理由があると思います。
保険の販売や説明の方法に問題があったり、そもそも商品自体に問題があるケースも見受けられます。
実際、これまでの相談の中にも「詐欺的だ」と言いたくなるような契約者の本意に沿わない保険も少なからずありました。

「売って終わり」といった古い保険販売のやり方ではなく、出口までお客様とお付き合いをするという覚悟で「お客様の役に立つ」というスタンスの方も多くいらっしゃいます。

保険も玉石混交。
知識がないばかりに玉と見間違え、石に高いお金を支払っている方もいます。
一人ひとりが知識を高めて行けば、石は自然に淘汰されて、保険業界のイメージが刷新されるスピードも速くなるのではないかと思います。

しなやかライフ研究所 ファイナンシャル・プランナー 小谷晴美