暮らしの中の道楽 ~器~

数日前、食洗機の電源が唐突にうんともすんとも言わなくなった。

食洗機は高温のお湯で器を清潔に洗ってくれる。しかも、手で洗うより節水になるらしい。
こんな便利なモノを使わないのは”損”だと思い、長年愛用してきた。

油こし器を食洗機で洗ったときの新品同様の仕上がりは感動もの。
でも、塗り物や繊細な器は洗えない。
いつの間にか、毎日使う食器は「食洗機で洗える…」が選ぶ基準になり、好きな器や大切な器は特別なときにしか使わなくなってしまった。

特別なときって、そんなにないのよ。
て言うか、人の一生、圧倒的に“普段”が多い。
母が遺してくれた古い器、義母から譲り受けた美しい器は、使ってなんぼ。
食洗機を使うのが当たり前だった家事のリズムが強制終了した今、どんな器も手洗いしなくちゃならない。
だったら、料理が映える器を使おう!

食材のグレードアップは家計的に難しいし、料理はそう簡単に上手くならないけれど、母たちとの思い出の器のおかげで、我が家の食事の時間は格段に彩り豊かになった。

ワレモノはいつか割れる。
だからと言って、壊れにくいモノや壊れても気にせず捨てられるモノで日常を過ごすより、
お気に入りの大切なものを普段使いにすることで、毎日が特別になって楽しい!

 

美しい暮らし研究家 あきやまひろみ
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