お米道楽な旅 ~香茸おむすび~

島根県飯南町は、広島県との県境、中国山地の脊梁部に位置し、面積の約90%を山林・原野が占め、平坦地の標高が約450mの高原地帯。
親戚でもいなければ、なかなか行く機会のない場所かも。
そこへ、Iターンでコメ作りに関わる仕事をしていらっしゃるKさんを訪ねた。

到着予定時刻に飯南米コシヒカリが炊きあがるように準備して迎えてくださった。

それと黒い塊…。
香茸という9月下旬から10月上旬の1週間ほどの短い期間にしかとれないキノコを塩漬けにしたものだそう。見た目はちょっとグロテスク。
適当に刻んで、大胆に炊飯器に入れ、ざっくり混ぜて、むすんで、いただく。

うまい!

香茸だけをつまんだら、かなり塩っ辛かったけど、飯南米との相性は抜群。
さすが地元の方。おむすびにして正解。

香茸なんて、知らなかった。
インターネットで「香茸」を検索。香味ともに松茸以上という人もいるほどで、発生数も少ないためほとんど流通していないらしい。
Kさんには毎年とりに行く場所があるそうだけど、その場所は家族にも教えていらっしゃらないとか。
後になって、とても貴重なものをサラッといただいてしまったような気がしてきた。

物流が発達し、お金を払えば全国各地の食べ物を自宅で楽しめるようになったけれど、風味は現地に行かないと味わえない。
Kさんとの出会いのおかげでいただけたその土地ならではの味は、気楽な旨さだった。


美しい暮らし研究家 あきやまひろみ
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