おくど飯 ~信楽 2018春~

最近、「おくどさん(かまど)」で炊いたごはんを食べさせてくれるお店や、ごはんを炊く体験ができる場所がある。行ってみると楽しい。

なぜ「かまど」のことを「おくどさん」と呼ぶのか。
くどは「竈」と書き、この字は「かまど」と読む。へー、そういうことか。
油揚げのことを「おあげさん」、お粥のことを「おかいさん」と言うのと同じように、かまどは「おくどさん」になったのね。

ところで、たぬきの置物で有名な信楽。
ここで、『土と手から生まれる食べモノづくり―おくど飯(はん)―』というイベントを開催している人たちがいる。
もともとは、陶器市や祭りの際にギャラリーを訪れた方々と一緒に信楽の米、水、薪、羽釜を使ってごはんを炊き、信楽焼の作家さん作の器でいただくという「飯椀がつなぐコミュニケーション」としてスタートした企画。お気に入りの飯碗を持参していただく回もあったそうだ。

今回は、信楽の米を信楽焼の羽釜を使い、地元有志手作りのかまどで炊く。
炊き立てをおむすびにして、信楽焼のお皿(1枚500円または1000円)にのせて販売。
器を選ぶ楽しさと持って帰れる喜びもある。
また、田舎のお漬物を自由にトッピングできたことは大好評だった。

初参加にして、いきなり“当日だけ”スタッフとして仲間に入れてもらった。
炊き立てをおむすびにするのは、けっこう熱い。でも、アツアツを食べてもらいたい気持ちの方が勝つ。

途中、ごはん待ちになる場面があった。
お客さんと一緒にみんなでごはんが炊けるのを待つ時間は、街中では味わえないゆったりした何とも言えない心地よさだった。

美しい暮らし研究家 あきやまひろみ
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