「味の向こう側」調べ

お笑い芸人の麒麟の田村さんの「貧乏だったから噛むことで空腹を満たしていた」というネタは、ごはんを噛み続けると味がなくなるが、そのまま噛み続けると一瞬ふわりとした甘さを感じるというもの。それを「味の向こう側」と表現されたのがおもしろい。

今さらながら「味の向こう側」は何回噛んだらたどり着けるのか、知りたくなった。
ごはんを口に入れ、回数を数えながら噛んだ。
2,3回噛んだら甘みを感じはじめた。
そして、15回も噛まないうちに飲み込んでしまった。
いかに普段の食事を噛んでいないかを痛感した。
何度チャレンジしても、なかなか味はなくならないし、いつの間にか口の中からごはんがなくなっている。
「味の向こう側」はすごく遠く感じた。
これは私だけなのか?

ランチセミナーで講演する機会をいただいた。
お話をしたあと、おばんざいランチをいただきながら質疑応答という流れだったので、参加者にご協力いただき、「味の向こう側」を調査した。
何回噛んだら甘みを感じ、何回噛んだら味がなくなり、そのまま噛み続けて一瞬ふわりとした甘さを感じるのは何回目かを調べてもらった。

40代以上の参加者の多くが、「味がなくなる前にごはんがなくなる」と答えてくださった。
「600回噛んでもわからなかった」という20代の方も。

「甘いうちに食べ終わるのが美味しい食べ方でいいのでは?」や、「お米だけでも味があるんですね」という感想をいただいた。

残念ながら「味の向こう側」はわからなかったけれど、噛むことの大切さとかなり噛んでも米の甘みはなくならないことがわかった。

美しい暮らし研究家 あきやまひろみ
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