お金が好きやねん!~相続税の歴史~

相続税ほど、身近でありながら遠い存在の税金は他にはありません。
人は必ずこの世を去る時がくるので、誰もが相続を経験します。
ただし、自分の築きあ上げた財産については、どのような処理をなされてどのような結末を迎えたかは知り得ることはできません。
円満相続となったのか、親族が遺恨を残す争族や争続に発展しているかもしれません。
少しでもトラブルにならないために生前から相続対策をしっかりやっておくことが大切です。

さて、相続税の歴史を調べてみると時代の変化とともに税制が変わってきたことが分かります。

相続税は明治時代に生れ、残した財産(遺産)の総額に対して課税される「遺産税方式」が採用されていました。
現在は、残した財産を相続人がいくら取得したかを対象にする「遺産取得税方式」が採用されています。
相続に対する考え方も現代と異なり、家系や地位の一切を相続して、その義務が多大である家督の相続と通常の遺産の相続を分けて課税していました。
ちなみに、家督相続の場合は、1000分の12が最低税率とされ、遺産相続は、最低税率1000分の15とされていました。
1910年(明治43年)には、家督相続の税率が高いということで税率を引き下げ、1914年(大正4年)には家督相続に対して特別控除金が認められました。
1926年(大正15年)では、低所得者の負担を軽減し、高額所得者に対しては負担を増やす税制改正を行われました。
1940年(昭和15年)には太平洋戦争の戦費調達ために更なる増税が行われました。
戦後は憲法や民法の改正により、家督相続が廃止され、1947年(昭和22年)相続税法の抜本的な改正が行われました。
1958年(昭和33年)、法定相続分による遺産取得税方式と遺産税方式の併用と改正が行われました。
そして、2015年(平成15年)基礎控除が6割縮小されて、最高税率も引き上げられました。

今まで相続税に縁のなかった人も課税対象となるケースがでてきました。
明治時代から現在まで激動の日本とともに変化してきた相続税。
これを機会に一度、相続税のシミュレーションをしてみませんか?