お金が好きやねん! 〜たかしくんのお手伝い〜

◉この話を親子で考えてください!

小学生のたかし君はお母さんと二人暮らし。
お母さんは、近くのスーパーで夜遅くまで働いています。
遅いときは、夜中になることも。

たかし君は一人でお母さんを待っている間、学校で流行っているゲームをしたくてたまりません。
ただ、そのゲームソフトは五千円もして、お母さんに買って欲しいと言っても絶対無理。
でも、どうしても、欲しくてたまりません。
そこで頭をひねって考えてました。
そして、お母さんに言いました。

「お母さん、ボク一生懸命お手伝いするからお小遣いを上げてくれない?」

たかし君はお小遣いを貯めてゲームソフトを買おうと思いました。
お母さんは、
「いいわよ!でも、どんなお手伝いをしてくれるの?」

「そうだなぁ。食事の後片付け、風呂掃除、買い物、洗濯、ゴミ捨て、これ以外もいっぱいお手伝いする。全部一回100円でどうかな?」

「たかしが、一生懸命、頑張ってくれるならいいわよ」
たかし君はその日からお手伝いを一生懸命しました。

そして、数週間後、
「たかし、よく頑張ったわね。ありがとう。」といって白い封筒を手渡しました。
その白い封筒の中には、真っ新の五千円札が入っていました。

その五千円札を見たたかしくんは、お母さんにそのまま返しました。

お母さんは、「えっ、足らないの?」

たかし君は大粒の涙を浮かべて
「ボク、わかったの。毎日、遅くまで仕事をしてクタクタなのに、家に帰ってからボクのために一生懸命いろんなことをしてくれていたことをお手伝いをしてわかったの!」

「たかし、ありがとう。お母さん、嬉しいわ。でも、このお金は、たかしが一生懸命お手伝いしたんだから、好きに使っていいのよ。」

たかしくんは、少し考えました。そして

「じゃ、このお金はお母さんに渡すから、仕事を1日休んで!
だって、お母さんのパート代は、1日五千円でしょ!」

金銭教育用教材「たかしくんのお手伝い (いちのせかつみ著)」より