NIKKEIプラス1から読み解く由美子流うんちく VOL.26 「上司とエレベーターに乗るときは?」

和ごころコンシェルジュの裏野由美子です。

 

先日の「噺の肴」セミナーで

日本の文化と欧米の文化の違いをお伝えした中で、

「左上位と右上位」の違いがあります。

 

日本では自分より左が上位とされ上座にあたります。

これは、日本の飛鳥時代に中国から入ってきた思想です。

 

唐の時代「天帝は北辰(ほくしん)に座して南面す」といわれ

左が上位として尊ばれました。

 

皇帝は不動の北極星を背にし、南に向いて座るのが善しとされ、

皇帝からみて左は、日が昇る東の位置です。

 

日の昇る東は沈む西よりも尊く、

ゆえに左が右よりも上位とされ上座です。

 

反対に欧米では自分より右が上位とされます。

これは右は英語で「RIGHT」正しいという意味で、

左は英語で「LEFT」弱いという意味からきています。

 

自分より右側が正しい位置で上座

左は弱い位置で下座になります。

 

この「右上位」の考えはプロトコル(国際儀礼)として

国際間でのマナーですので、覚えておいてくださいね。

 

さて、今回のNIKKEIプラス1では、

上司とエレベーターに乗る際、

どこが上座になるのかという記事です。

 

エレベータはもともと欧米の物なので、

「右上位」が適用されます。

操作盤の位置に関係なく、

エレベーターに入って扉を正面に見て右奥が上座です。

(入る前なら左奥です。)

扉付近にある操作盤の前が下座です。

 

このように、日本にいても欧米のものは

欧米のマナーが適用されますので、

気をつけてくださいね。

 

ちなみに日本の着物は、右前といいますが、
着物を着るときの「前」という言葉の意味は、
時間が前という意味で先に合わせた方を前と呼びます。
左襟が上になりますが、左前とは言いません。