NIKKEIプラス1から読み解く由美子流うんちく VOL.28「訪問客が汗だくだったら」

和ごころコンシェルジュの裏野由美子です。

暑さもようやく落ち着いてきましたね。

先日京都の料亭にランチに行ってきました。

席に着くと、小ぶりのお茶碗に温かい緑茶が出てきました。

お酒は飲まなかったので、

お料理が始ると口の狭いお茶碗に、少しぬるめのほうじ茶が出てきました。

そして、お料理が終ると少し大ぶりのお茶碗に

少し熱めのほうじ茶が出てきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

石田三成の三献茶を思い出しました。

豊臣秀吉が、鷹狩をした帰途に、ある寺に立ち寄って茶を所望した際の

対応した寺の小姓(石田三成)の話ですが、有名ですね。

汗をかき喉が渇いていた秀吉に対し、

まず最初の一杯目は大きな茶碗にぬるいお茶をなみなみと入れてお出しした。

秀吉は、それを一気に飲み干し、もう一杯所望すると、

小姓は、やや小さめの茶碗に、やや熱めのお茶をお出しした。

秀吉がもう一杯所望したところ、

今度は小ぶりの茶碗に熱く点てたお茶を入れてお出しした。

その気配りが、秀吉の目にとまり

家臣に登用されたきっかけとなる逸話です。

今回の日経プラスワンにも

「訪問客が汗だくだったら」とい記事が載っていました。

皆さんもこんな経験ありませんか?

もし、汗だくでハンカチで顔を拭きながら訪問される方がいたら、

どのように対応すればよいのしょうか?

まずは、何よりも冷たい飲み物を一刻も早お出ししてあげましょう。

冷たく絞ったおしぼりを添えます。

氷を入れたグラスには水滴がつくので、

テーブルが濡れないようにコースターを使いましょう。

また、お客様は汗を一度は引かせても名刺交換等で緊張して

また汗が噴き出し会話に集中できない場合もあるので、

少し落ち着かれるまで待ってあげるのも心配りですね。

石田三成のように三献茶とまではいきませんが、

相手の言葉には出さなくても求めていることをする。

一杯のお茶ですが、おもてなしの心ですね。