NIKKEIプラス1から読み解く由美子流うんちく VOL.30「無口な上司 会話が苦痛」

和ごころコンシェルジュの裏野由美子です。

 

私は女将という仕事柄、接客の場面では、

自分は話さずお客様のご要望やお話を聞く側にあります。

また、講師としては、相手に伝わるように話す立場でもあります。

 

普段、講師仲間や友達と食事をしたりするときは、

話好きな方が多いので、聞き役に回る方が多いのです。

 

相談業務や接客業をされている方と食事に行くと、

相手も人の話を聞くというスタンスをとるので、

会話が全然弾まない時があります。

 

そんな時は、こちらが話しをするように心がけていますが、

きっと相手も傾聴スキルを学んでいるのでしょう。

 

こちらが話をすると、相槌や頷きは良いのですが、

こちらの話を繰り返すオウム返しで止まってしまう。

こちらが飲み物に手を付けると相手も飲みものに手をつけるミラーリングをする。

 

コミュニケーションを取ろうとしてくださっているのはわかるのですが、

神経を使いすぎて、とても疲れてしまうのでは?と思う方がいらっしゃいます。

 

私も、日ごろから「マナーとは相手に気を遣わせたらダメですよ!」と

言っておきながら、思いっきり相手に気を遣わせているな~と反省しつつ、

私を、実験台として使ってください。というスタンスで気づかないふりをしています。

 

日常のコミュニケーションでは原則として、話すと聞くを50%-50%ぐらいの時間で

会話するように意識し、過剰に聞き手にまわることのないよう心がけましょう。

 

仕事での、相手の話を8割から9割聴き、

自分が話をするのは2割から1割という聴く癖をつけてしまうと、

話す力がなかなかつきません。

自分が話をしないといけない立場になった時、会話が続かず困ってしまいます。

 

会話は相手の為でもありますが、自分のためでもあります。

自分が楽しくなければ、相手も楽しくありません。

 

しかし、中には、人の話を聞くのは好きだが、

自分の話はあまりしない無口の方はいらっしゃいます。

 

今回のNIKKEIプラス1は【無口な上司 会話が苦痛】という記事です。

 

上司と隣同士で飛行機に乗った際、部下がトイレに立ち、戻ってきたら、

客室乗務員から上司の席が壊れているという理由で上司が席を移られました。

と言われたそうです。

その時部下は、ほっとされ、「上司が無口で困っていました。」とのこと。

この場合は上司は部下を気遣ったのか、本当に一人になりたかったのかわかりませんが、

お互い気まずい思いをされていたのでしょう。

 

無口な方は話すのが苦手なのではなく、きっかけのタイミングや、

リアクションが苦手な方が多いので、

テンポを落として控えめなやり取りを心がけてみると、

相手も次第にペースをつかめ、緊張が和らぎます。

 

会話のキャッチボールが難しい場合は、

その瞬間に見えている状況や行動を正当化させる言葉を使いましょう。

「早朝便で混んでいますね。」

「今朝は早かったので、ゆっくり休んでおきます。」など

無理に盛り上げようとせず、相手に安心感を与えるようにしましょう。

 

上司も部下も相手に気を遣わせない事がマナーですが、
上級マナーではこちらが気を遣っていることを相手に気づかせないことです。

 

色々なコミュニケーションスキルを駆使することはよいことですが、
相手に気づかれ気を遣わせない事が、一番のマナーです。