NIKKEIプラス1から読み解く由美子流うんちくVOL.36「握手を求められたら?」

和ごころコンシェルジュの裏野由美子です。

当店に来られたお客様をお見送りする際に、

店側は、「ありがとうございました。」とお辞儀をするのですが、

お客様からは、「ありがとう、また来るね。」や

「今日も美味しい料理を作ってくれてありがとう」

という意味で握手を求められます。

 

握手は信頼関係を確かめ合う動作で様々な場面で使われますが、

ちょうどNIKKEIプラス1に

「握手を求められたら」という記事が載っていましたので、

今回は、日本のお辞儀と欧米の握手について少し触れてみたいとおもいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

世界にはいろいろな挨拶の仕方がありますが、

私は、その国々の文化や歴史、国民性、宗教等の影響を

受けていることが大きいと思います。

まず、日本のお辞儀には、相手を信頼し心から敬う

という意味が込められています。

なぜなら、自分の頭はとても大切な部分で、

それを無条件で相手に差し出すと言うことは、

それだけ相手を信頼し敬意を示しているという表れであり、

また、相手より上に立たないという謙虚さの表れでもあります。

 

一方握手は、戦争が絶えない中世ヨーロッパで、

仲直りの意味でお互いに武器を持っていませんと

利き腕である右手を差し出して握り合う。

かつ隙を見せないために相手の目を見ます。

 

日本の「お辞儀」は敬意や謙虚さを表現し、

欧米の「握手」は相手に敵意がないことを表します。

 

このように歴史や文化の違いは、挨拶一つをとっても

全く違いますね。

 

握手のマナーは、

まず、握手を求められたら、ためらわず右手を出しましょう。

そして、座っていたらすぐに立ちあがって握手をするのがマナーです。

日本人は握手をしながら同時にお辞儀をしてしまう人が多いのですが、

お辞儀はせず、相手の目をきちんと見てください。

 

男性同士なら、手全体をしっかり握ります。

但し相手が女性の場合は軽く握ります。

 

手を差し出すのは、上位者から下位者が基本ですが、

場合により下位者が手を伸べ上位者がそれに応じることもあります。

女性と男性の場合は、女性から男性に差し出して下さい。

以前は男性から先に女性に握手を求めないとされていましたが、

近年はどちらからでも良しとされている様です。

 

宗教上の理由で男性と女性は握手をせず、会釈のみのケースもあるので

知っておきましょう。

 

パーティの席で手が冷えていたり手に汗をかいていたりすると

相手を驚かせてしまいますので、事前に対処しておきましょう。

また、握手をした後にすぐに手をふくのもNGです。

 

国際化が進展すればするほど、相手に合わせて振る舞うことが大切ですが、

先ず自国の文化や礼儀・作法をわきまえたうえで、

相手国の文化を理解するのがいいですね。

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