NIKKEIプラス1から読み解く由美子流うんちくVOL.38「折り鶴から科学へみらいを羽ばたく」

 

和ごころコンシェルジュの裏野由美子です。

先日、お客様を見送った後、

ふっとカウンターを見るとこんなに素敵な演出がなされていました。

当店では、食後のデザートを置くお盆の上に千代紙をひいています。

それを使ってお客様が折り鶴を折られたのでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

いつの間に・・・

その折り鶴を見た瞬間、こちらがほっこりとなりました。

 

その折り鶴がなんと科学と密接なつながりがあるという記事が、

今回のNIKKEIプラス1「くらし物語」に載っていました。

 

「折り鶴から科学へみらいを羽ばたく」です。

 

いま、折り紙の世界ではすごいイノベーション(技術革新)が起こっているそうです。

 

まず、折り紙が遊びとして定着したのは江戸時代で、

17世紀に井原西鶴の浮世草子で「おりすえ」と呼ばれた折り紙が登場し、

1797年に世界最古とされる折り紙本「秘傳千羽鶴折形」が出版されたそうです。

 

その折り紙本には、現代の一匹一匹、鶴を折って繋げていく千羽鶴と違い、

1枚の紙に切り込みを入れ、鶴の尾や口を連結させた連鶴作品が49種類のっているそうです。

 

日本の折り紙は、他国から伝えられたものでなく、日本独自に発達してきましたが、

ヨーロッパや中国にも、独立した折り紙の伝統と歴史があったそうで、

開国とともに、ヨーロッパの折り紙が日本に伝えられ、融合していったようです。

 

終戦後、日本の折り鶴は、平和の使者として世界に平和を訴える象徴となり、

折り紙は「ORIGAMI」として海外でも親しまれるようになりました。

 

そして、1970年台以降は学術研究が始まり、「ミウラ折り」と言う平面の折りたたみ方を

東京大学宇宙航空研究所の三浦公亮氏が考案されました。

 

「ミウラ折り」は折り目が内側に重ならないため、何度開閉しても破れにくく耐久性が強いため、

自治体の防災地図や観光マップとして販売されています。

 

また、「ミウラ折り」は広げる作業を一挙動で行えるので、急いで広げるには便利な折り方です。

そのため1995年に打ち上げられた衛星の宇宙空間で広げる太陽電池パネルにも応用されました。

折り紙が世界を越えて宇宙まで羽ばたいた瞬間でしたね。

 

この「ミウラ折り」キリン缶チューハイ「氷結」等のダイヤカット缶にも使われており、

ダイヤ形状の凹凸により、すべりにくく持ちやすいという特長があるそうです。

ただのおしゃれなデザインではなかったんですね(笑)

 

現在では、折り紙の技術を使って立体を作り再生医療へ応用できる可能性があるそうで、

折り紙はどこまで羽ばたくのでしょうか・・・楽しみですね。

 

また、全国の大学サークルで作る「折り紙サークルネットワーク」やSNSで情報共有する

「折り紙の輪」が、展示会などを開催して広がっているようで、

和ごころコンシェルジュの私としては、日本の文化の代表である「折り紙」が

若い世代に広がっていくことは本当に嬉しいですね。

 

折り紙はまさに「折り紙つき」ですね。

 

*ちなみに「折り紙つき」とは、江戸時代、美術品や刀剣などの鑑定書に

折り紙が使われるようになり、確かな品質が保証されているという証拠です。