有名人のがんの罹患や、がんによる死が報道されると、いろんな方面からがんが話題になる。
SNSで流れてくる情報に、勉強になることや納得することもあるが、その一方でがんへの誤解や勝手な解釈に悶々とした気持ちにもなる。
がんになった理由を話題にすることは、特に。
検診が甘かったからとか、生活が乱れていたからとか、仕事のストレスだとか、そんな風に周りが憶測で言うことは、避けるべきである。
がんが見つかった後にがんになった理由を問うのは、がんになった本人、本人以上に家族や周りにいる人を追い込むことになる。
そうでなくても、「あれが悪かったんじゃないか」「自分が負担をかけたんじゃないか」と、これまでのことを振り返って、それぞれが自分を責めてしまい、やりきれない思いでいっぱいなっているのを、私は相談で漏らされる言葉から感じている。
家族も精一杯の思いで、これから一緒にがんと向き合っていこうとしているのに。
がんの原因を、単にがんを細胞のミスコピーだとか、加齢による免疫機能の低下だけで済ますつもりはない。
生活習慣が大きく関わっている場合も多いことは事実であり、がんになる可能性を下げることを考えていくことは必要である。
だから、国も正しい知識を持って個々ががん対策をしていけるように、がん情報の発信だけでなく、子供たちへのがん教育にも力を入れていこうと動いている。
がん患者やその家族と接してきている私だから、がんという病気を正しく伝えていくことも私の役目の1つだと感じている、今日この頃である。