「良い加減の投資法」㊱ -「過熱相場」編 –

こんにちは、金融・投資 教育コンサルタントの須原光生です。

最近、友人と株式相場のことを話していると、彼から日経平均株価や個別の会社の「過熱相場」、いわゆる、「買われ過ぎや売られ過ぎを判断する材料はないか」との相談を受けました。

友人だけでなく、誰にでもある気持ち、「安く買って、高く売る」を心掛けていくには、自分なりの底値、高値を分析する指標を理解して、投資判断にすることも必要です。今回は株式投資を行うのに重要な、現状の相場の位置を占う分析方法を解説します。

⓵移動平均かい離率です。このかい離率とは、株価が移動平均線からどれくらい離れているかの割合を示したものです。移動平均線は、過去一定期間の平均株価を並べて繋いだもので、通常、5日、25日、13週、26週などが使われます。株価を平均することで、一定の方向性を見ようとするものですが、株価とかい離する場合には、いずれ株価が移動平均線に近づく性質を有しているため、そのかい離率を見て転換点を分析するもので、かい離率が、プラス、マイナスとも15~20%位かい離すると相場が反転する事が多い指標です。個別の会社を購入するときにも注目できます。

⓶サイコロジカルラインです。この指標は過去12営業日のうち、上昇した日を12日で割ったもので、株価が上がった日を「勝ち」、下がった日を「負け」として勝率を算出します。この指標は短期のタイミングを捉える手法として効果的で、この勝率が6勝6敗の50%は通常で、3勝9敗の25%以下は売られ過ぎであり、9勝3敗の75%以上では買われ過ぎといわれています。つまり「もうそろそろ上昇(下落)するかもしれない?」を分析するのが、サイコロジカルラインで、この指標も個別の会社を購入するときにも注目できます。

⓷騰落レシオです。騰落レシオ(比率)は、東証一部銘柄の「値上がり銘柄数」を「値下がり銘柄数」で割った指標のことです。一般的な騰落レシオは、最新の過去25日間の平均を取って算出され、相場の過熱感を表すもので、目安は125%を超えると相場は過熱気味、75%を下回ると相場は弱気だと考えられ、全体相場を見るときに使われます。

⓸東証一部の新高値新安値銘柄数です。市場全体が天井に近くなると新高値銘柄数が増え、逆に市場全体が底に近くなると、新安値銘柄数が増えます。どちらも200を超えてくると転換ゾーンといわれています。この指標も全体相場を見るときに使われます。

以上の「過熱相場」を判断する材料を説明していると、気が付けば友人はもうこれ以上聞いても理解できないよと“心ここにあらず”状態でした。実際、相場のデータには確実な方程式はありませんが、相場に参加する前には少しでも指標を分析し、「買われ過ぎや売られ過ぎ」を冷静に判断してほしいです。

特に「売られ過ぎ」は「まだまだ下がるのでは?!」と悲壮感の充満状態です。その時こそ、もっと「相場に情熱を加えてほしい=加熱相場」の意識で参加が成功の近道です。

「人の行く裏に道あり花の山」。