「良い加減の投資法」58 -「発掘」編 –

こんにちは、金融・投資 教育コサルタントの須原光生です。

最近、福井市へ講演に行く機会がありました。福井市を訪問するのは数年ぶりで、福井駅の東・西両駅前は劇的に変化していて驚きました。ファッションビルが建設され、金沢駅とつながり、先は東京駅へ直行できる2022年開業予定の“北陸新幹線”の建設工事が真っ只中で、国家規模の公共事業は、街の模様を変え、関西圏の福井が金沢のように関東圏になり、人やお金の流れも激変させる予兆を肌で感じた次第です。

福井と言えば、「さば」「越前そば」ですが、近年は恐竜の化石が多く“発掘”され、日本一恐竜に力を入れています。駅のベンチは恐竜人形が座っていて、恐竜グッズが売られ、恐竜の絵がいたる所で見られ、近郊の勝山市には恐竜の森公園があり、園内には県立恐竜博物館や、恐竜の“発掘”を体験できる広場も設置され、休みの日は行列ができるほど賑わっているそうです。福井は恐竜ワールドです!ご存知でしたか?

福井にはそのほか、鯖江市のメガネ日本一が有名です。日本に流通しているメガネの9割以上を生産する、一大メガネの産業地帯です。ちなみに、金属アレルギーを起こしにくいチタン製メガネを世界で初めて生み出したことでも注目されています。実に100年以上前に、地元のある議員が、冬の雪深い地でも家の中で作業ができ、収入が得られる方法としてメガネ作りを“発掘”して、今日の日本一につながっています。

東京商工リサーチの全国「老舗企業」調査によると、2017年に創業100年以上となった老舗企業は、全国で約3万3千社もあり、最古の老舗企業は、なんと578年創業の社寺建築の(株)金剛組(大阪府)です。次いで、587年創業の華道「池坊」の池坊華道会(京都府)、705年創業の旅館業の(有)西山温泉慶雲館(山梨県)と続き、創業1000年以上の企業は7社“発掘”できるようです(驚・笑)。

また、上場企業の創業100年以上となる老舗企業は約560社で、古い順の7位は以下です。
1位、中堅ゼネコンの「松井建設(株)」1586年創業。
2位、非鉄金属と電子材料の「住友金属鉱山(株)」1590年創業。
3位、長野県地盤の食品と建設事業の「綿半ホールディングス(株)」1598年創業。
4位、薬用酒メーカーとして有名な「養命酒製造(株)」1602年創業。
5位、松坂屋呉服商から発展の「J.フロントリテイリング(株)」1611年創業。
6位、江戸の紙問屋発祥、不織布展開の「小津産業(株)」1653年創業。
7位、しょうゆ最大手でシェア約3割の「キッコーマン(株)」1661年創業。

上場企業の中にも、事業を継続する「信念」の強さや「信用」の重み、その時代に合わせた柔軟な経営方針や業務変更で、難局を乗り越えてきた驚きの老舗企業が存在しています。

長期「死にせ」ず企業への投資は、古(いにしえ)の力を秘めた「価値の蓄積(かせき)」が“発掘”できること間違いなしですよ。古き良き企業バンザイ!