「良い加減の投資法」㉔ -「子ども投資」編 ‐

こんにちは、金融・投資 教育コンサルタントの須原光生です。

最近、誕生したばかりの第1子を連れた、ニコニコ幸せが溢れんばかりのご夫婦から、教育費の準備額や方法などの質問を受ける機会がありました。早くから意識を持って子どものために準備していく姿勢に賛辞を贈りましたが、お答えした後の表情は、真剣そのものに変化されたのが凄く印象的でした。

現在、3歳の幼稚園から15年間私立に通った場合は約1,770万円、すべて公立に通った場合は約523万円で、全て私立に通わすと公立の約3倍の費用がかかると、文部科学省の「平成26年度子供の学習費調査」のデータが出ています。それにプラスして一番の問題は大学の費用です。短期間で大きな額が必要になり、進学条件の違いで全く金額が違ってきます。また、留学や浪人する可能性もあります。

大学4年間の教育費は、セールス手帖社保険FPS研究所「ライフプランデータ集」2015年版では、国立大学:自宅通学は約539万円、下宿は約840万円、私立文系:自宅通学は約692万円、下宿は約975万円、私立理系:自宅通学は約822万円、下宿は約1,105万円です。私立医歯系大学は、6年間で自宅通学でも何と2,540万円と、医者を目指す子どもが家計を病気にする恐れがあります。

以上の費用はあくまでも第1子の教育費ですから、もし第2子・第3子が生まれ、大学進学時期になると教育費の通算負担額は計り知れない金額になることを覚悟のうえで、準備を考えていく必要があります。

一般的に教育費の準備は以下の心得が必要です。
・教育費用は必要時期が判り易いので、しっかり把握しておく。
・早い時期から給料天引きや引き落としの金融商品で継続する。
・教育費に充てる預貯金や保険は絶対に他の資金に流用しない。
・最終学歴をどうするか、早い時期から将来の方向を話し合う。
・奨学金を借りる場合は、金額を押さえさせられる準備をする。

なお、投資を含めた教育費の心得は、株式の長期投資と同じように子どもへの冷静な観察が重要です。

子どもが「会社」で親が「株主」の関係を想像してみましょう。誕生時から協力が無くては生きていけません。歳を追うごとに能力が付き、やがて稼ぐ力や判断力などを身に付けて巣立っていく“子ども投資”も“応援”の連続です。しかし、時には能力が追いついていかないと判断すれば思い切って「損切り=止めさせる」や進路を修正させる「見極め」も大事になります。

預貯金や保険と合わせて教育費の準備方法は、「見極め」ながら、年間80万円まで、最長5年の間に得た配当金や値上がり益に税金がかからない、2016年4月より0歳~19歳が利用できる「ジュニアNISA」を利用して、実際に習い事や教材などで関係している教育関係会社への投資を続けるのも一案かもしれませんよ。

但し、“子ども投資”も“会社投資”も思うように成長しなかったら大損です。どちらの投資もリスクをしっかり認識してほどほど投資で、決して「うっ投資い」にならないことを祈るばかりです。