11月26日に開催された大阪マラソン。
フルマラソン42.195kmに約3万人、チャレンジラン8.8kmに約2千人もの方が出場された。その中に、大阪国際がんセンターの元気マラソンチームのメンバーも出場していた。
元気マラソンチームとは、医師などの医療スタッフと患者で結成されたチーム。
大阪国際がんセンターでは、がん治療後の仕事や社会生活でのストレスを軽減できたらという想いと、これからがんの治療を受ける方に対して元気を届けたいという想いで、メンバーを公募した。
メンバーの中には、今も治療を続けている方もいる。
お話を伺ってみると、がん切除の手術からまだ1年しか経過していない方、ホルモン療法中の方、抗がん剤の副作用による脱毛でまだ髪が生えそろわず、ウィッグをつけている方もいらっしゃった。
10月のある土曜日、元気マラソンチームの練習に参加させていただき、一緒に大阪城の周りを走った男の子が、「パパはがんの手術をする前に140キロを走ったんだよ。大阪マラソンでまた頑張るんだよ」と、お父さんのことを誇らしげに話してくれた。
ランナーの皆さんは、完走はもちろんのこと、それぞれ目標タイムを定めていらっしゃった。
そのタイムは、がんになる前と同じタイム。
目標タイムは、まだ生活のどこかにがん治療が残っているとの言える状態であっても、がんになって自分自身が衰えたわけではないということを示している。
沿道で応援をしていると、元気マラソンチームのランナーの皆さんは、私たち応援隊の姿を見つけて、笑顔で走り抜けていかれた。本当に輝いていらっしゃった。
想いをこめて一歩ずつ走ろうというランナーの気持ちが応援隊にも伝わってきた。
男の子のお父さんは、目標タイムを達成してゴールされた時のコメントで「好きなことをやることで自分を向上させられたことが一番嬉しかった」とおっしゃった。
がんになったからと言って、がんに縛られたり、自分が変わらなきゃいけないことはないと、元気マラソンチームのランナーの皆さんから教わった。
がんになっても好きなことを。