「心に残る会釈」NIKKEIプラス1から読み解く由美子流うんちくvol-61

和ごころコンシェルジュの裏野由美子です。

前回ちょうど挨拶について少し書きましたが、

今回のNIKKEIプラス1のマナーのツボに「心に残る会釈」という記事がありました。

私のマナー講座では挨拶についてお話しする際、挨拶には3つの要素がありますとお伝えします。

3つの要素とは

1.挨拶言葉
2.表情
3.お辞儀

です。

まず、「ありがとうございます。いらっしゃいませ。おはようございます。」など
相手に気持ちを伝えたい、挨拶言葉というものがあります。

次に自分の感情(嬉しいのか悲しいのか)を伝えるためは表情がとても重要です。

そして最後に、相手に伝えたい気持ちの度合いを表すお辞儀があります。

挨拶をする際、この3つを同時に行っています。

 

 

 

 

 

 

特にお辞儀に関しては、相手に伝えたい気持ち(心)は目に見えないので、
心を伝える手段として作法(形)があり、その作法の一つがお辞儀なのです。

お辞儀は角度で相手への敬意を表すとされており、
心を表現することが形なので、形を大切にすることが相手を大切に思うことにつながります。

お辞儀の形としては、主に最敬礼・敬礼・会釈がありますが、
今回の記事ではこの「会釈」について書かれていました。

 

エレベーターに乗ろうとしたら、いっぱいで乗るのをためらったが、
「開」のボタンを押している青年がにこっと会釈してどうぞと態度で示してくれたそうです。

そして降りるときも、ひと言も言葉を発さずちょこっと下げた頭と笑顔で
皆の乗り降りを助けてくれたそうです。

大げさに構えたところのない自然な会釈にその場の皆が優しい気持ちになったとのこと。

会釈を形でとらえると角度は15度で軽いお辞儀ですが、もともとは仏教語で、
前後相違した内容を、前後照合して意味が通じるようにする意の

「和会(わえ)通釈」の略です。

和会通釈(わえつうしゃく)が転じて、多方面に気を配り、相手の心を推しはかって応対することを
「会釈」というようになったそうです。

例えば、来客で、応接室にお茶を持って行った際、「いらっしゃいませ」と深々と最敬礼したのでは、
会話を中断させてしまいますので、笑顔の会釈に気持ちを託して下がってくる。

また、お辞儀は返礼を求めるともいわれていますので、目上の方であっても相手が急いでいれば、
深々とお辞儀をするより、軽い会釈の方が、その場ではあっています。

その場の事情を察し使う会釈こそ分別のある大人の挨拶ですね。

私は、このお辞儀一つで、新規のお客様にお越しいただいた経験が何度もありますので、
また、機会があればお伝えしますね。

たかがお辞儀されどお辞儀ですよ!