「特別」の意味

「特別栽培米」と表示されたお米が売られている。
「特別」という言葉の響きから、農薬や化学肥料を使わず栽培された、安全で安心して買うことができるお米だとイメージしがちだが、実はそう単純ではない。

農林水産省の表示ガイドラインによると、特別栽培農産物とは「その農産物が生産された地域の慣行レベル(各地域の慣行的に行われている節減対象農薬及び化学肥料の使用状況)に比べて、節減対象農薬の使用回数が50%以下、化学肥料の窒素成分量が50%以下で栽培された農産物」と書かれている。

なんともわかりにくいが、「特別栽培米」=「農薬・化学肥料不使用」ではないということがわかる。

「特別」という言葉は、「最良のもの」や「凄いレベル」に使ってほしい。「農薬等の使用量が一般栽培の半分以下」という基準をクリアしたものを「特別」と表示するのは中途半端な気がする。

「特別栽培米」は、農薬や化学肥料を使っていないとは言えないが、使う場合は、回数や量はできるだけ少なくしているという意味だと知ったうえで、そのお米を選んでいる人はどれくらいいらっしゃるだろう。
表示の基準や意味を知るのは難しい。

 
美しい暮らし研究家 あきやまひろみ
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