がん患者さんにとってのがん保険~つづき~

前回のコラムはコチラ ⇒「がん患者さんにとってのがん保険」

 

がん保険を経済面から見るにあたり、必要になるお金を保険金でどれだけ賄えるかという見方もある。

しかし、がん経験者が精神安定剤のように加入するがん保険は、加入することが経済面で「損=マイナス」にならないのかどうかを検証する必要があると思われる。

 

受け取れる保険金より、支払う保険料の方が多いことになっては「マイナス」、支払う保険料の方が少なければ「プラス」、だという視点で見てみるために、アフラック社のがん経験者でも加入できるがん保険について、私なりに下記に示すような試算をして検討した。

 

結果として、

抗がん剤特約つけ、抗がん剤治療を受ける

再発が早い時期に起こる

治療期間が長引く

ほど、このがん保険の加入により、経済的にプラスになる人が増えると言える。

 

しかし、辛い思いをした抗がん剤治療は二度と受けたくないだろうし、初発のがんの治療を終えて間もない時期こそ再発を恐れているだろうし、精神的だけでなく、時間的、肉体的、経済的のどれをとっても治療期間が長引くことほど苦痛に違いない。

 

つまり、がん経験者でも加入できるがん保険は、精神面での負担が大きい時こそ経済面でのプラスが大きいとも言い換えられる。

そこに、加入していることが大きな安心にもなることが追加されるとなると、精神安定剤として加入するという意味合いはピッタリだと思われる。

 

一度がんを経験された方は、がんが再発しないことを願い、がんになるまでは支出しなかったところにお金を「かける」ようになる方が多い。

サプリメント、健康食品、漢方、有機野菜、鍼灸などなど。

これらも精神安定剤と言える。

 

がん保険への加入も、「かける」お金の選択肢の一つ。

 

限られたお金の中で、自分がどういうものにお金を「かける」ことが精神面の支えとなるのか、情報を吟味して検討してほしい。

 

これもまた、自分のがん晴れる道しるべとなることだから。

 

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~参考までに試算の一例~

再発し、

抗がん剤を3週間に1度の通院投与

6クール(1クール目のみ3日間入院、別日にも検査等で4日通院と仮定)

するとなった場合を例に挙げる。

 

アフラック社のがん保険では、

受け取れる保険金 : 50,000円 × 5ヶ月 + 10,000円× 12日 = 370,000円

(抗がん剤治療月ごとに50,000円、入院・通院ともに日額10,000円)

と試算される。

 

受け取れる保険金370,000円よりも、支払った保険料が少なければ、このがん保険への加入は経済的な面から見てプラスだったと言える。

 

仮に、このケースの再発が、がん保険加入から3年後だったとする。

 

3年間支払い続けた保険料よりも、受け取れる370,000円の方が金額的に上回るのは、毎月の保険料が10,277円以下であり、この保険料に相当するがん保険への加入年齢が何歳の時であるかを試算してみたところ、男性は58歳、女性は72歳。

(入院・通院ともに10,000円/日、抗がん剤治療特約(50,000円/月)付加のプランで試算:アフラック社ホームページを参考)

 

つまり、保険料は年齢が下がるほど安くなることから、このケースの場合、男性は58歳以下、女性は72歳以下でこのがん保険に加入をしていた場合には、支払った保険料より受け取れる保険金の方が上回る。

 

同様に試算すると、加入後4年後の再発であれば、男性は46歳以下、女性は53歳以下、5年後の再発であれば男性は32歳以下、女性は27歳以下でこのがん保険に加入していた場合には、保険加入が経済的に見てプラスだと分かる。