「NIKKEIプラス1から読み解く由美子流うんちく VOL.4 「お酢」と「みりん」はいつできた?」

和ごころコンシェルジュの裏野 由美子です

そういえば、毎日料理を作りながら、考えたことがなかったですね~

皆さんは、料理に味をつける調味料がいつの時代に出来たのかご存知ですか?

日経プラスワンに江戸時代に花開いた調味料「お酢」と「みりん」の記事について
書かれていました。

「お酢」は紀元前5000年ごろにナツメヤシや干しブドウから作られた、一番古い
調味料といわれていますが、日本には4~5世紀に中国から伝わりました。

奈良時代には朝廷で、米を原料とした酢が作られており、高級調味料として
扱われていたそうです。
「お酢」が税のかわりにもなっていたそうですよ。

また、「みりん」は室町時代に登場し、調味料ではなく嗜好飲料として贈答品や
献上品に使われていたそうです。
砂糖を使わない甘味って貴重だったんでしょうね。

このように江戸中期までは、上流階級の嗜好品だった「お酢」と「みりん」が、
江戸時代後半には庶民の生活に浸透していきます。

何故かというと

お酢といえば「ミツカン」みりんといえば「キッコーマン」 ←醤油も有名ですが、
すぐに企業名が出てくる程有名な両企業ですが、実は江戸時代は酒造業者だったそうです。

江戸での酒の販売に苦戦したミツカン(尾張 半田市)の初代中埜又左衛門が、
当時江戸ではやっていた、早ずし(酢と塩で手早く酢飯にする)に着目し
酒を絞った後のかすを原料にした安価な酢を開発、商品化し100万都市だった江戸へ
大量供給したそうです。

これが当たり、江戸前すしが庶民の間にも広まり、すしは屋台で売るファーストフードとして、
江戸っ子に人気になったそうです。

また、キッコーマン(千葉県 流山)も上方からの品質が良く安い「下り酒」の攻勢にさら
され、酒造りからみりん醸造に生産の中心を移していったそうです。

これにより飲み物でなく、調味料として煮物 焼き物 和え物 お菓子など幅広い料理に
使われ、江戸の料理屋に甘い味付けが定着したそうです。

酒造業者だった両社の発想の転換が、庶民に喜ばれる江戸の食文化に貢献したことは
素晴らしいなと思います。

私は定年退職者の方々の起業のお手伝いをしておりますが、定年退職後は、
ぜひ、今まで培ってきた経験をもとに発想の転換で新しい価値を生み出し、
次の世代につないでいってほしいです。

そうそう、シニア世代の育児参加を促すために「孫育て」用の育児用品で、
目盛りの大きい哺乳瓶が開発されたそうですが、これも発想の転換!!

次回は「マナーの壺」についてです。