がん告知を受け、これからかかってくる治療費のことを思った時、
「がん保険に入っていて良かった」
「がん保険に入っておけば良かった」
と、真っ先に頭によぎったのはがん保険のことだというがん患者さんは多い。
がん患者さんと話していると、「がんになった時に経済的に助けてくれるのは、がん保険」
というイメージが強いことに驚く一方で、がん保険の加入の有無が、これほどまでにがん患者さんの精神状況に影響するのかと気づかされる。
実際、がん保険に加入していなくても、健康保険の高額療養費制度や傷病手当金などの公的制度の利用、それに預貯金などによって、がんになった時のお金を賄えたとしても、それでもがん保険に入ってなかったことを後悔される患者さんもいる。
「がん保険に入りたいんです」という声も聞いてきた。
そんな後悔することを嫌がり恐れるという心理をうまくついていると思うのが、がんの経験者でも加入できるがん保険。
がんの経験者でも加入できるがん保険は、初発の時にがん保険に加入していなかった後悔を、二度としないで済むため、がん経験者にとって大きな精神安定剤にもなるだろう。
とはいえ、保険の加入は、精神面の支えだけで決めるものではない。
毎月の支払いの負担が大きく、生活に支障が出るようでは本末転倒であるし、経済面からも検討する必要がある。
ただ、健康な人が加入する一般のがん保険と比較すると、保険料は高いのに保障は小さく、かなり割高であることを指摘するのは無意味だと思う。
がん経験者にとっては、そもそも加入できない保険なのだから。
次回のコラムで、がん患者さんとがん保険について、経済面から見てみたい。