ひとめぼれ

日本のお米で作付面積割合が最も多いのは、昭和54年以降ずっと「コシヒカリ」である。平成28年産は35.9%を占めている。
その次に多いのが「ひとめぼれ」の9.4%で、主な産地は、宮城・岩手・福島の東北地方だ。宮城では約8割、岩手では約7割の面積で「ひとめぼれ」が作られている。(米穀機構「品種別作付動向」より)

「ひとめぼれ」が作付面積で初めて第2位になったのは、1994年(平成6年)だ。
それは、記録的な冷夏によって米不足になり平成のコメ騒動と言われた1993年の翌年である。
それまでの第2位だった「ササニシキ」が冷害で壊滅的な打撃を受けたことから、耐冷性が強く、食味の良い「ひとめぼれ」が転換品種として作付けを伸ばしたからだ。
また、栽培が比較的簡単であることから、寒冷地以外でも作付けされ、現在は青森から沖縄までの広い地域で栽培されているそうだ。

最近の新品種は、地球温暖化の影響から、高温耐性に優れたものの育成が進んでいると聞く。
そんな中、「ひとめぼれ」が寒さに強い品種であることを知り、20~40年ほど前は、冷害対策の話題が中心だったのに、随分変わったと気づかされた。

「ひとめぼれ」の歴史から、お米事情の変化を感じた。

 
美しい暮らし研究家 あきやまひろみ
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