パートナーの商売繁盛を叶える女将の和流儀

女将FPの裏野由美子です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は寿司屋の女将・ホテルのレストランの女将

和食店の女将など飲食店の女将を20年以上やってきました。

 

現在は、夫が和食店を経営しておりますので、

女将として夫を支えると同時に、

ファイナンシャルプランナーとして

夫婦でされているお店や小さいお店を

繁盛店にする為のお手伝いもしております。

 

こちらのブログでは、

パートナーの商売繁盛を叶える女将の流儀を書いています。

流儀と言えば固く感じるかもしれませんが、
ようは経営者としての心得や生き方・あるべき姿を
経営者を支える立場から書いています。

 

 

 

 

私の事をお話しする前に、少しだけ夫(大将)について

知っていただきたいと思います。

 

大将は石川県の出身で、もともと寿司職人でした。

東京で江戸前、大阪で大阪寿司を学び、

平成3年に独立し大阪曽根崎で寿司屋を開業しました。

 

私は、友人の紹介でその寿司屋に食べに行ったところ

大将と大将の作った料理に恋をし、結婚。

右も左もわからないまま、寿司屋の女将になりました。

 

当時の私は、ちょうどバブルの時代で、

大手証券会社に勤めておりましたので、イケイケのノリノリで、

自分でいうのも何ですが、成績優秀のバリバリのキャリアウーマンでした。

 

同年代のサラリーマンより稼ぎは良かったと思います。

また、お客様受けもよく、お見合いのお話もたくさん来ていました。

 

仕事が楽しく、結婚する気は全くなかったのですが、

大将と出会い、突然「私、寿司屋に嫁ぎます。」と言い出したので、

周りは大慌て・・・

 

今のキャリアを捨てて、畑違いの飲食業に嫁ぐなんて、

苦労しに行くようなもの。

「何を考えているのだ!!」と両親や友達に猛反対されました。

 

ただ、反対されると、余計に燃える私は、「絶対に幸せになってやる!」と

証券会社で学んだ営業や接客術、そして持ち前の明るさで、

「夫を全力でサポートしよう!」と決心しました。

 

当時、大将が一人で切り盛りしていた店は、

路地裏の席数8席で10坪ほどの小さい店でしたが、

経営者の方が多く通う繁盛店でした。

 

 

 

 

 

 

 

バブルがはじけた後でも、毎日常連さんでにぎわい、

周りのお店からはうらやましがられていたようです。

 

しかし、そこに私が、ポンと入ったことで、

客層に異変があったのは言うまでもありません。

 

深夜2時まで営業しておりましたので、

クラブやスナックのママさんが来られることが多かったのですが、

ピタッと来なくなりました(笑)

 

「こんなにもあからさまに、来なくなるなんて!」と

最初は、とてもショックでした。

 

だが、逆に、夕方、当店に食事に来られたお客様が、

クラブやスナックで飲まれた後、

その店のママや女の子を連れて来てくださるようになりました。

一日に2回来られる状態です・・・

 

人が一人、入っただけで、こんなにも客層が変わるのだと、

だから「水商売」というのだなと、妙に納得したのをおぼえています。

 

また、売上の面でも、当店は他店と違い、かなり変わった構造でした。

今でも似たような感じですが・・・

 

あなたは2:8の法則というものを聞かれたことがあると思います。

顧客全体の2割の優良顧客が売上の8割をあげているという法則のことです。

 

例えば、店には2割の常連さんと8割の新規や一般のお客様が来ているが、

実は、店の8割の売り上げを2割の常連さんが上げているというような構造です。

 

「パレートの法則」といい、大体この法則にあてはまるのですが、

当店にはその法則が全く当てはまっていませんでした。

 

当店は、9割の常連さんと1割の新規のお客様が来られて、

店の10割の売り上げを9割の常連さんが上げるという構造でした。

 

一割のお客様の売り上げは?と言いますと

 

実は、常連さんが新規のお客様の分も気に入ったら、

おごっちゃうという何だか訳の分からない構造でした。

 

そして、「また会いたいから来てね。次いつ来る?」と

私たちに代わって、新規客に営業や宣伝もして下さる。

 

本当にありがたいお客様ばかりでした。

 

また、ほとんどの方が、経営者の方で、

私たちが夫婦で商売をしているということが、

応援したくなるのか、お客様に安心感を与えるのか、

その経営者の方が、奥様やお子様を連れて来られる。

 

その奥様が、お友達を連れて来られ、

そのお友達の奥様がご主人(もちろん経営者)を

連れて来られるという、まさに紹介の連鎖が起こっていました。

 

今、思えば店の宣伝などしたこともないのに、

口コミという、素晴らしい集客の仕組みが出来ていましたね。

 

そのおかげで、着実に売上・利益を伸ばし、

店舗も、細い路地裏の10坪の店から

9年後には、店舗兼住居5階建てのビル一棟

170坪の大きさになりました。

 

 

 

 

 

 

 

職人さんパートさん、アルバイトさんを雇い、

お客様のご紹介から

JR東海の新幹線の主要駅の駅弁売り場に、

「大阪寿司 夷左翁-ISAO-」の棒寿司やお弁当を

納品するようになりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

他のお客様のご紹介から

大丸心斎橋店では常設のコーナーに

棒寿司を出させていただくことにもなり、

毎日完売していました。

 

すると、テレビ出演の依頼もあり、

魔法のレストランではスタジオまで行き、

大阪寿司を全種類、披露しました。

(大阪寿司については、別の機会にお話ししますね。)

 

水野真紀さんも当店のお寿司を召し上がってくださいましたよ。

とても素敵な気さくな方で、

「美味しい」と言っておかわりをされていました(笑)

 

「絶対に幸せになる。全力で主人のサポートをする!」と

決心した、あの日から、1人でも多くの人に

「主人の作った料理を食べて笑顔になってほしい」という

想いだけで、突っ走ってきました。

 

このような、紹介の連鎖がどんどん起こっていくのには

やはり理由があります。

 

当時は何気なくやっていたのですが、

今思うとそうだったんだと、気づきます。

 

客様と愛し愛される繁盛店にするには?

 

大将が常に言っていたことがあります。

今でもずっと言い続けています。

 

「金儲けより人儲け」です。

 

お店が儲かるというのは、何が儲かるのかというと、

同じ価値観の方が増えるということです。

 

同じ価値観の方が増える事を「人儲け」といいます。

 

そして、金儲けというのは、 人儲けの結果、

お店にお金が入ってくるのです。

 

売上と利益が増えるのは、お客様からの評価の結果であり、

その根本となる考えが、この「人儲け」の考え方です。

 

儲けるという字は、人が者(他人)に言う、

すなわち口コミが起こり、

次々とその店の「信者」になるということです。

 

その店の信者(同じ価値観)を作ると勝手に紹介が起こり

お店は儲かっていくのです。

 

当店では、大将の「金儲けより人儲け」

その想いが、お客様にも通じていたのでしょう。

 

店側からは、何の宣伝もしないのに

お客様はひっきりなしに来られるし、

売上もどんどん上がっていきました。

 

TVや雑誌に載ると、店はもっと繁盛し、

また、雑誌の依頼がありる。

 

紹介の連鎖もどんどん起こり、

儲かる仕組みも出来ていました。

 

何をしても上手くいき、順風満帆だったのですが・・・

 

しかし、落とし穴がちゃんと待っていました(笑)

 

「金儲けより人儲け」と言いながら、いつの間にか

「人儲けより金儲け」に走ってしまうのですね。

 

人間の性って怖い・・・

皆さんはそうじゃないかもしれませんが。

 

私たちは

忙しいを理由に、

お客様をおいてけぼりにしていました。

 

忙しすぎて、お客様の前に立つときは

しんどそうな顔を見せていたこと、

お客様が気を遣って

「しんどそうやから、もう帰るわな。」と言って

帰って行かれるのにも、全然気づいていませんでした。

 

気づいたときには遅かったのです。

 

 

そして、お客様が離れていく前に、

ずーと、働きづめで頑張ってきた大将が、

オーバーワークで倒れてしまいました。

 

今、考えれば当然の結果だとおもいます。

 

大将の性格上、自分が現場に立たないのに、

店を開けられない。

 

従業員さんやお客様には大変申し訳ない

という気持ちがいっぱいでしたが、

大将は【一旦、店を閉めるという決断】をしました。

 

そして、私もそれに従いました。

 

商売には、上り坂もあれば下り坂もあります。

そして、「まさか!」という坂もあるのを覚えておいてください。

 

ただ、人儲けをしていると、何度でもチャンスは巡ってきます。

ピンチをチャンスに変えることが出来ます。

 

だからまずは「金儲け」より「人儲け」を徹底してください。

 

すると奇跡が起こりますよ。

あなたならできると、信じています。

 

長い長い文章を

最後までお読み頂きありがとうございました^_^