芸術の秋 文楽を愉しむ

Benefit Concierge(ベネフィット コンシェルジュ)の吉村です。

国立文楽劇場で『錦秋文楽公演』を鑑賞してきました。
文楽は私にとっては未知&無知の世界です。
一度は観てみたかったのですが、ひとりで行くのにはハードルが高く、今回友人に誘っていただき
絶好の機会とくっついていきました。
ただ、難しそうなので、きっと途中で寝てしまうのでは?と思っていたのですが
なんのその心配は杞憂に終わりました。

そのわけは
初めての方でも楽しめる一押し情報!

30分前には劇場に到着し、1階ホールの資料展示室に直行(入場無料)
常設展示で『文楽入門』として、文楽の歴史に関連した書籍や年表をはじめ、
太夫・三味線・人形について基本的な資料で文楽を解説・紹介をしています。
企画コーナーでは、上演演目に関連した資料の展示があり、今回は勧進帳でした。
ばっちり予備知識が得られますよ!

劇場内で700円でイヤホンガイドをレンタルする。
(1700円払いますが返却時に1000円返金してもらえます。)
堅苦しい解説ではなく、舞台の進行に合わせて、物語の歴史や背景やあらすじ人形の役柄、
太夫・三味線・人形遣いの名前、文楽のイロハなどがタイミングよく聞こえてきます。

そのおかげで初めての文楽でしたが、とても楽しく鑑賞でき大満足でした。
イヤホンガイドがなければ、途中で夢の中にいたかも・・・。

文楽は、日本を代表する伝統芸能の一つで、太夫・三味線・人形遣いの三業で成り立つ三位一体となった
総合芸術で、その成り立ちは江戸時代初期にさかのぼり、古くはあやつり人形、そののち人形浄瑠璃文楽と
呼ばれるようになったということです。

【太夫】義太夫節によって、浄瑠璃の世界を描き出し伝える役目
    場面の情景、物語の背景、登場人物全員の言葉など全てを一人で語り分けます。
【三味線】太夫の語りと一体になって、義太夫節の情を表現します。
【人形】一体の人形を3人の人形遣いが操ります。
    主遣いが左手で首、右手で人形の右手を動かし、左遣いが右手で人形の左手を操り、足遣いは両手で
    人形の両足を操ります。
    微妙な動きで心情まで表現し、生身の人間以上に訴えかけるものを持っています。
    主遣いの方は紋付・袴でお顔が見えていますが、後の二人は黒子姿です。

今回鑑賞した演目は
増補忠臣蔵(ぞうほちゅうしんぐら)
艶姿女舞衣(あですがたおんなまいぎぬ)
勧進帳(かんじんちょう)の3作くで、一つの物語を通しでするのではなく
物語の良いところを取ったという感じで、飽きずに楽しめました。

特に、感動したのは、最後の勧進帳です。
通常の演目は太夫1人、三味線1人で義太夫節を演じるのですが、
幕が上がると、太夫が7人、三味線が7人と舞台端に1列に座り圧巻でした。
お話は、兄源頼朝に追われる身となった源義経一行が奥州に落ちていく道中、安宅の関に差し掛かった際の
関守の富樫之介正広とのやり取りを描いたもので、武蔵坊弁慶が主人公です。
弁慶の人形遣いの方は3人とも紋付・袴でお顔も出されていました。
最後は、花道での弁慶の飛六方。
人形遣いの三人の息もぴったり合って、すごい気迫で豪快に花道を翔けぬけていきました。
感動!感動!

ぜひ、一度文楽を鑑賞してみてください。