「良い加減の投資法」⑯‐「運用と心の両赤字」編‐

こんにちは、金融・投資 教育コンサルタントの須原光生です。

ある投資家から「大きく値下がりした株式(いわゆる塩漬け株)を長年持っているがどうしたらいい
と思いますか?」との質問を受けました。皆さんはどうですか?人には言いにくいことですが、意外
とこのような状況で株式を持ち続けている人は多いと思います。

私の考えた解決策は4つです。

1.まだまだ長~く時間は掛かりますが、持ち続けることです。買った責任、十字架を背負う気持ち
で、気長に今まで通り付き合ってください。目の黒いうちに報われる時が訪れるかもしれません。
信じる者は救われる精神です。

2.値下がった今の株価で新たに購入して、平均購入コストを下げることです。例えば、100株:
買値1,000円では、今の株価500円で100株購入すると、平均750円になり50%上
昇で買値です。200株購入すると、平均約666円と約33%上昇で買値です。少しでも多く
株式を購入することで限りなく買値に近くなり少しの上昇で損失をカバーできます。反面、新た
に購入した全てが買値を下回る、損失や塩漬けの上塗りになる大きなリスクも抱えます。

3.購入している株式を全て売却することです。しばらく損失の大きさと手元に戻った額の少なさに
ショックを受けますが、人間の適応能力で2週間もすれば立ち直れます。また、今までは「下が
らないで!」と願う立場から、売った瞬間から「もっと下がれ!」と逆転の気持ちが訪れ、精神
衛生上ストレス解消になり、手元の資金は少し明るい気持ちで将来につなげられます。

4.購入していることを完全に忘れるか、運用の認知症になるか、次の世代等に贈与して手元から切
り離すことです。早めに財産である株式を譲る精神は、周りを明るくする材料になります。

なお、こんなデータもあります。

日経平均株価は2016年末19,114円、2006年末は17,225円、1996年末は19,3
61円、1986年末は18,701円でした。年平均の騰落率を求めると、過去10年間は1.05%、
20年間はマイナス0.06%、30年間では0.07%でした。

ニューヨークダウ平均株価は2016年末19,762ドル、2006年末は12,463ドル、199
6年末は6,448ドル、1986年末は1895ドルでした。過去10年間の年平均の騰落率は4.7
2%、20年間は5.76%、30年間は8.13%でした。

米国と違い、日本では長期投資を貫いてもなかなか報われないことを裏付ける結果です。

お金を使ってわざわざ“運用と心の両赤字”の不健康状態を続ける必要はありません。少しでも穏やかな
気持ちで生活ができる改善方法を早く見つけ、実行することをお勧めします。

あなたは何番を選択しますか?