お金の相談場所

金融機関に行くと窓口の一番端っこに半透明の囲いのあるブースを見かけますね。そこには、資産運用相談や住宅ローン相談などお気軽に、といったような案内が掲示されています。
そのブースで相談をしたことがありますか?

そりゃ上手く運用して資産を増やせたらとは思うから話は聞いてみたいけど、運用するお金がそれほどあるわけでもなく、それに得意な話でもないから、わざわざ相談するほどでも…。
月々引き落とされている住宅ローンの返済額が少しでも下がれば有難いけど、また大変な手続きがいるんだろうし、ちょっと億劫に感じる…。
だから、自分から相談したいとあのブースに飛び込んだことはない、とおっしゃる方が多いのではないでしょうか。

実は、金融機関と同じようにがん患者さんが個別でお金の相談ができるブースが、医療機関にもあります。がん診療連携拠点病院に指定されている医療機関であれば「がん相談支援センター」、それ以外の医療機関では「医療福祉連携室」といったような名前がついている場所です。

医療機関にもよりますが、そこに行ってスタッフの方に声をかければ、医療ソーシャルワーカーもしくは看護師の相談員が相談ブースに案内くださり、「どうぞお座りください、どうされましたか?」と優しく声をかけてくださるでしょう。

金融機関と全く違うのは、医療機関の相談では何もお金を必要としないところ、何か商品を紹介したりもしないところ、医療機関や自分の利益なんて考えてはいないところ。

私が知っている相談員の方は皆、患者さんの悩みに耳を傾け、患者さん自身が自分らしい生活や治療の選択ができるように親身になってサポートされていらっしゃいます。私も医療スタッフの方から学び、同じ気持ちでいくつかの医療機関で相談員をさせてもらっています。

ちょっと気になること、ちょっと聞いてみたいこと、気軽な気持ちで声をかけてくだされば構いません。聞いてみることで安心できることってあると思います。

それでもどうも自分から相談に行くというのはハードルが高いでしょうか。
それならば、主治医の先生や、いつも傍にいてくれる看護師の方に、がん相談支援センターってどんなところなのか尋ねてみてはいかがでしょう。心許せる医療スタッフが紹介してくれたり、繋いでくれた場所であれば、そのハードルはぐっと下がるでしょうから。

がんライフアドバイザー® 川崎 由華