笑う機会を!

いつも笑っていましょう、とは言わない。

大事なことは、笑う機会を持つことだと思います。

 

大阪国際がんセンターで実施された、笑いとがん医療の実証研究に携わっておられる医師の言葉。私はこの言葉がすとんと胸に落ちました。

 

漫才や落語を鑑賞することが、がん患者さんの免疫機能やQOL、精神状況にどう影響するのだろうか、という実証研究。

協力したのは、吉本興業や松竹芸能、米朝事務所で、出演されたのは桂文枝さんやオール阪神巨人さんなど大御所ばかり。その名は、病院が大手前という所にあることに掛けて「わろてまえ劇場」。なんと大阪らしいと思いませんか。

研究には患者さんの協力も必要。ご想像の通り、参加協力の応募が殺到したそうです。

 

これはイベントではなくて研究です。だから、がん患者さんに一回一回を楽しんでもらえたらいいのではありません。漫才や落語を鑑賞したことと、していないことで差を分析できるようにプロトコールを組み、倫理委員会も通し、アンケート調査や血液検査を実施しています。

 

結果、漫才や落語を鑑賞した患者さんは、免疫細胞の増加傾向や、患者さんのQOLや精神状態、痛みが改善されるデータが得られたとのこと。皆の期待通りですね。

 

誤解してはいけないのは、笑いを提供する機会ではあったが、皆が同じように笑ったとは限らないこと。そして、免疫を高めてがんを抑える作用を持つサイトカインを出す能力はアップしたとはいえ、がんが改善されるとまでは言えないこと。

ここの部分の分析や研究はこれからですね。世界に先駆けて大阪が取り組んでほしいと、今後に期待しています。

 

そこで最初の先生の言葉。

研究結果を見て、笑わなきゃなんて思わなくていいんです。泣きたい時は泣けばいい、辛い時に無理して笑うことはありません。でも、笑う機会を持とうという気持ちではいてほしいです。

 

一人でいるより、誰かと話している方が笑うこともあるでしょう。お金や仕事のことでモヤモヤしていることがあるなら、よかったら、私のところに相談にいらしてください。

こんなイベントも企画しています。一緒に楽しみませんか。

 

 

 

がんライフアドバイザー® 川崎由華