源氏物語「近江の君」から学ぶ「K・Y」の罪

綺羅女プロデューサーOkeiです。

 

今日は母のバースデーです。わんこと二人?一人と一匹?で暮らしています。

 

離れて暮らしていても、やっぱり親のことはずっと気になるものですね。

この春からは娘が母のところに転がり込むので、ちょっと安心です。

 

さて、今回の登場人物は「近江の君」です。

 

彼女は前回登場した玉蔓とは腹違いの姉妹です。

つまり父親は内大臣、母親のことはほとんど書かれていませんが、

内大臣の正室でも側室でもない女性の子ということで、

身分が低い女性の子として描かれています。

 

そのキャラは強烈です!

見た目は親しみやすく愛嬌のある感じ。

しかし口を開くと早口で、言葉遣いが荒く、教養が全く感じられず、

何か話すたびに周りの嘲笑を誘ってしまうという描かれ方をしています。

 

「近江の君」は近江で父親とは無関係な生活をしていたところを、

内大臣に見つけられ、京に呼び寄せられます。

 

源氏の所に玉蔓という素晴らしい姫が来たのに内大臣が対抗して、

探しに探して見つけた自分の娘を引き取ったのです。

男の見栄と言いますか、対抗心と言いますか、

どうしてほっとけないんでしょうかねぇ。

 

ところが、そうして引き取った姫が、想定外にガサツだったため、

手を焼いている、そんな状態です。

「近江の君」の良いところは、素直で感情表現が豊かで働き者なところ。

 

「近江の君」を、一般的な庶民の女性として見るならば

愛嬌があって表裏がなく、面白くて付き合いやすいと思うのだけど、

貴族社会には到底なじめなかった、ということなのでしょう。

 

ちょっと気の毒な気がします・・・。

 

ただ、郷に入っては郷に従えとあるように、

自分が新しく生活を始める世界はどんなところなのか、

もう少し周りを見て、自分の振る舞いを省みて、

協調しようする姿勢があれば、大切にされたかもしれないのに、

あまりにマイペースすぎたためにずっと軽んじられてしまったのです。

 

「K・Y」(空気読めない)って、もう死語でしょうか・・・。

「近江の君」を見ていると、「K・Y」は自分自身の品格を落としてしまうだけでなく、

周りの人にも不快な思いをさせてしまうという、罪にもなるのだな、と

あらためて思いました。

 

次回のコラムは「女三の宮」です。

 

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