和ごころコンシェルジュの裏野由美子です。
前回少し宣伝した3月に開催する
「女将が伝えたい愛される和食の作法講座」
今回もあっという間に満席になりました。
ありがとうございます。
皆さんがこのようにマナーに関心を持たれているのは嬉しいですね。
ただ、いつも、私は講座の前に皆さんに
「どうしてこの講座を受講しようと思ったのですか?」とお伺いします。
すると皆さん、「恥をかきたくないから」とお答えになります。
もちろん自分が恥をかきたくないというお気持ちはわかります。
しかし、和食のマナーは「相手に恥をかかせないことです。」
と私は、お応えしております。
相手に恥をかかせないようにするには自分が知っていなければなりません。
そして、マナーを心得ている方は、一番マナーの出来ていない人に合わせます。
相手に恥をかかせない。これが和食のマナーです。
また、上司やお客様に会席などの食事に連れて行ってもらった場合は、
上司やお客様に「きみは、マナーが出来てないな~」と言われるのが恥ずかしいのではなく、
上司やお客様が店側から「こんなマナーの出来ていない人を連れてきて」と
恥をかかせないように振る舞うことが大切なのです。
(まぁ店側は、マナーが出来てないなどと声を出していうことはありませんが・・・・)
和食のマナー講座で皆さんが悩まれるもう一つが、
自分はどこに座ればいいのかということです。
今回のNIKKEIプラス1マナーのつぼは、
【和室に通されたらどこに座る?】という記事です。
まず、上座と下座の理解からです。
和室は床の間がある場合は、床の間の前が一番上座です。
床の間のない和室では入口から一番遠いところが上座になります。
会社の宴会などで幹事さんや部下が先に店に着いた場合、
皆さんの席次を決めるのに悩まれたり、
自分はどこに座ったらいいのか迷われています。
上司を一番上座に座っていただくのがいいのか、
コミュニケーションを図るために、
真ん中の席にしてみんなで囲んだほうがいいのか困るところですね。
宴会など人数が多い場合は、
上司を上座側の真ん中の席に座って頂くというのが多いようですが、
上司の方が座りたいところに座っていただくのも良いと思います。
ただ、その際は店側に、どなたから料理をお出しするのか一言伝えておくと、
たとえ下座に上司が座られていても、その方からお出しすることが出来ますので、
上座に座られた方も気を遣わなくてもいいですね。
また、接待の場合の席次は下記のように異なりますので、ご注意下さいね。
お店ではなく訪問先で和室に通された場合、
床の間の前の席を勧められたらそこに座りますが、
席を勧められないときには入り口近くで正座して待ちます。
和室での挨拶は必ず座ってからにしましょう。
立って挨拶すると相手を見下すことになりますので、気を付けてくださいね。
挨拶した後、お土産等があれば座って渡します。
そして勧められたら座布団に座りますが、
このとき、座布団は絶対に足で踏んではいけません。
まずは、座布団の横か下にいったん座り、にじってあがります。
座布団から立つときも、一旦後ろに、にじって畳におりてから立ちます。
最後に床の間に荷物を置く方がいらっしゃいますが、
床の間は神様の寝床、神聖な場所なので、置かないようにしましょう。
マナーとは相手を思いやる心を形で表すことですが、
相手を思いやる心があれば自然とマナーは出来ていますので、ご安心を!