知新温故?!

最近のお米の品種名はバラエティ豊かである。
「にこまる」、「森のくまさん」、「ミルキークィーン」、「晴るる」……
一見お米とは関係なさそうな「きらきらネーム系」が増えている。

なかでも一番衝撃を受けたのは、群馬県のオリジナル品種「ゴロピカリ」。
群馬の名物である雷をイメージしてつけられたそうだ。

興味深かったのは、雷は稲の豊作をもたらすと昔から言われているということ。
雷の放電によって空気中の窒素と酸素に化学変化が起こり、窒素酸化物ができる。
この窒素酸化物は窒素系の肥料と同じもので、雨に溶けて地面に降り注ぎ、天然の肥料となるらしい。
また、雷は夏期から初秋にかけて多発する。稲の生育に大切な時期と一致する。
暑い日差しのあと、積乱雲ができて雷雨が発生する。十分な光と雨による水の補給が稲の生長を促す。
なるほど!「ゴロピカリ」は群馬を代表する自慢のお米に相応しい最高のネーミングだと思った。

「雷」は「田」の上に「雨」と書く。
また、雷のことを稲妻とも言う。
漢字ができた頃から雷と稲の関係がわかっていたということ?
昔の人、すごい!

いろんなことに意味や由来がある。
新しいことを知って、故きを温める。
そんなことを考えさせられた「ゴロピカリ」との出会いは楽しかった。

 

美しい暮らし研究家 あきやまひろみ
お米道楽 https://www.facebook.com/okomedouraku/