「良い加減の投資法」⑪ -「まだ」と「もう」編‐

こんにちは、金融・投資 教育コンサルタントの須原光生です。

私の講演会や研修会は、常に経験したことを身近で、聞いている人が目の前で描ける話を、
“楽しく、面白く、元気が出て、前向きになる!”がモットーで、「“もう”終了ですか?
非常に短い時間に感じました。また聞きたいです。」と言われることが多いのが特徴です。
(本当ですよ!!)

一方では、人の話を聞きに行って「“まだ”こんな時間か、難しい、退屈な話や。長く感じて、
速く時間が進まないかな。」と思うことがあり、もっと聞く側の立場になって話してほしい
ものです。

私の「もう」はポジティブな気持ちを与え、「まだ」はネガティブな気持ちを与えています。

また、「もう50歳代になった。」、反対に「まだ50歳代や。」と、時には「もう」はネガテ
ィブな感じに、「まだ」はポジティブな感じにもなります。

ちなみに、女性の肌年齢を測定すると、「もう50歳代」と思う人の肌年齢は、実年齢マイナス
0.9歳!「まだ50歳代」と思う人の肌年齢は、実年齢マイナス8.0歳!と、ポジティブ思考が
肌細胞を生き生きとさせるそうです。

「もう」と「まだ」の違いはどのようになるでしょうか?

「もう」 ・ ポジティブ : 少し。 近い。 着く。できる。
・ ネガティブ : 来ない。 できない。 終わり。 無理。 遅い。

「まだ」 ・ ポジティブ : 来る。 できる。 これから。 可能。 間に合う。
・ ネガティブ : たくさん。 遠い。 多い。できない。

「もう」 と 「まだ」は、時と場合によってはポジティブなプラス力にもなるし、ネガティブ
なマイナス力にもなります。本当に表裏一体で不思議な言葉ですが、思い方ひとつ、良い方向
を見ていきましょう。

実は投資の世界に「もうはまだなり、まだはもうなり」という格言があります。

言葉の意味は、「もう」そろそろ底だと思えるようなときは、まだ下値があるのではと一応考
えてみることが必要です。反対に、「まだ」下がるのではないかと思うときは、もうこれくら
いが底かもしれないと前向きにみてはどうかというものです。

よく経験することですが、「まだ」市場の動きは強く、上がるだろうと思って購入すると反対
に下がってしまったり、「まだ」買うのは早い、様子見と思っているときほど相場は上昇して
いきます。

逆に「もう」天井だと思って売ると、その時から急激に値上がりしていき、儲かりはしたけれ
ど悔しい気持ちが強くなったり、「もう」底と思って買うと、その後に大きく値下がりしてし
まったなど、このよう経験をお持ちの方も多いと思います。

「もうはまだなり、まだはもうなり」は、投資家の思いとは裏腹に、相場の動きは思うように
いかない実感がこもった格言ですが、結局「いつ買ったらいいの?いつ売ったらいいの?」と
言いたくなりますね。

「まだやらない」、「もうやらない」にはならず、時には「慎重かつ大胆」に市場と向き合って
ください。