「良い加減の投資法」⑳ -「地政学リスク」編 ‐

こんにちは、金融・投資 教育コンサルタントの須原光生です。

最近、北朝鮮が核実験を実施すれば、米国が先制攻撃で軍事施設を破壊するのではとの報道が流れて
います。しかし、最悪の場合、北朝鮮が応戦してきて、日本や韓国に爆弾を投下して、いわゆる全面
戦争が身近な場所で発生する恐れもあり、政府、国民は不安を抱き、株式市場は「地政学的リスク」
という言葉で表現して、神経質な動きをしています。

「地政学的リスク」とは、特定の地域における政治的、軍事的な緊張や紛争状態などによって、特定
の商品の価格が大きく変動し、特定地域や世界経済へ大きく影響する可能性を意味していました。
FRB(米連邦準備制度理事会)が2002年9月の声明で初めて使ったのを機に、この言葉が一般
化されました。

かつては中東問題=石油危機など資源・エネルギーへの影響が中心でしたが、現在は過激派組織「イ
スラム国」(IS)などテロの拡大、シリア内戦から難民の大量発生と欧州への移民急増、各国の難
民対策の亀裂や利害の対立、EU離脱問題など、新種のリスクが頻繁に発生している状況も含まれて
います。

改めて資産運用に向き合うため、主たるリスクを確認しておきましょう。

・株価リスク    多種多様の要因から価格が変動することで差益や差損が発生するリスク。
・為替リスク    外国為替レートが変動することによる差益や差損が発生するリスク。
・信用リスク    倒産や破綻でデフォルト(債務不履行)になるリスク。
・市場リスク    業績が良い会社も市場全体のムードで下がるリスク。
・流動性リスク   売買量が少なく、売りたくても売れない、売れても金額が安いリスク。
・金利リスク    固定金利の商品は金利上昇分の利息が受け取れないリスク。
・インフレリスク  物価上昇により、利息が物価上昇率を下回ってしまうリスク。
・カントリーリスク 外国投資先が政局不安や革命、借金問題などで価格変動の影響を受けるリスク。

各種リスクをしっかり理解してお金の運用や防衛をしていくことが大切です。しかし、冒頭の「地政
学的リスク」は、テロや戦争、難民問題など、罪なき人々の尊い命にも大きく関係することなので、
絶対に拡大や新たな発生をさせてはいけません。「地政学的リスク」の全ての問題は、真逆を意味す
る、“知性学的 クスリ” を使って平和的解決ができればと、心の底から願うばかりです。

また、各種リスクの処方“クスリ”がなければ、景気動向に左右されにくく、安定的な業績で、配当利
回りも高く、生活必需品であり、株式市場ではディフェンシブ銘柄、ディフェンス(守る)という意味
合いがある、値下がりをしている時の「薬品株」への投資が将来の“特効薬”になるかもしれませんよ。

今一度「リスク」と「クスリ」を再認識してください。平和で豊かな未来あれ!!