和ごころコンシェルジュの裏野由美子です。
先日テレビで、芸能人の格付をチェックするという番組をしていました。
見ていると、大御所の芸能人や若手の芸能人2人が夫婦役になり、
上司のお宅に夫婦でお伺いする際のマナーがちゃんとできるかどうかという、
マナーの格付けチェックをしていました。
見ていると玄関を入って靴の脱ぎかたから「ぶっぶ―」な状態で、
芸能人でも知らない人が多いのだと驚きました。
上司や友人のお宅に訪問した時や、
会食で料亭などに行った際に、
あまり気にしない靴の脱ぎ方ですが、
実は靴の脱ぎ方でその人の足元を見られますので、ご注意を!!
今回のNIKKEIプラス1マナーのツボでは、
「料亭などで靴を脱ぐときは」です。
皆さんは突然、会食の席で靴を脱ぐことになり困ったことはありませんか?
一度ぐらい、「靴下に穴が空いるかも」とか、
「パンストに電線がいってないだろうか」と、
冷やっとしたことはないでしょうか?
このように、急に靴を脱ぐことになって慌てないためにも、
予備の靴下を一足カバンにいれておきましょう。
また、お茶席によばれた際には、
洋服の方は、白い靴下に履き替えるのがマナーです。
これは、外からの汚れを持ち込まないということなのですが、
記事によると、料亭でも同じように白い靴下に履き替える方が
いらっしゃるが、他に女性の方がいらっしゃるときは、
相手に恥をかかせることになるため控えた方が無難だということです。
マナーは知っている者が相手に合わすという配慮もしますが、
「知らぬが仏」にならないよう、最低限のマナーは身につけておきたいですね。
さて、靴の脱ぎ方です。
一番多いのが、玄関に入り、後ろ向きに靴を脱いで上がる方。
実は、これNGです。
まず、玄関に入ったらそのままの向きで靴を脱ぐのがマナーです。
これは、家人や店主にお尻を向けないというマナーで「入船」と言います。
そして、そのまま「入船」の向きで玄関に上がり、振り返って靴をもち、
靴先が玄関側に向くように、半回転させ置きます。
これを「出船」と言って、戦国時代に、武士が「いざ出陣!」という時
すぐに履けるようにという名残でこのように呼びます。
また、料亭など下足番の方がいるお店では、「入船」で脱いで、
「お願します。」と一言添えてお任せします。
たまに、下足番の方に預けず自分で「出船」にされる方がいらっしゃいますが、
これは下足番の方の仕事を奪ってしまうというマナー違反です。
京都のお茶屋さんの下足番の方で、
お客様の靴の減り方を見てその人の健康状態が分かり
お得意さまの病気を早期発見したという話を聞いたことあります。
そんな凄いこともあるので、自分でやらずに下足番の方に預けてくださいね。
下足番の方がいらっしゃらない場合は、「入船」に脱ぎ
上がってから、少しかがんで(膝をついて)「出船」に直して下さい。
ご夫婦の場合は、先に夫が入船で上がり、
次に妻がふたり分の靴を出船に揃えます。(状況にもよりますが)
→芸能人格付けチェックの番組では、
ほとんどの芸能人がこれが出来ていませんでした。
お宅におよばれの場合は、
靴を置く場所は玄関の真ん中を避け、下座か下駄箱の側に揃えておきます。
お店の場合は
下足箱がある場合は下足箱に入れましょう。
帰りは、ほとんどの場合、
家人か店員さんが靴を出船に置いてくださっていますので、
そのまま履いてください。
そして、振り返り、挨拶をしてから玄関出ましょう。
靴の脱ぎ方にもマナーがありますが、
ピカピカに磨かれた靴や中敷きにまで気を使える人は
評価も高くなるので、いつ靴を脱いでも恥ずかしくない
身だしなみを心がけましょう。