和ごころコシェルジュの裏野です。
新年も明けてもう7日、今日は五節句の一つ「人日」の節句で、七草粥を食べて1年の豊作と無病息災を願う日ですね。
お正月最後のこの日にお粥を頂くのは、お正月の暴飲暴食で弱った胃を休める効果もあるのです。
「すずな・すずしろ・せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ」子供のころ必死で覚えた事を思い出しました。
さて、今回は12月24日付けの「NIKKEIプラス1」「たどってなるほど」からスリッパは、実は日本で生まれたという記事です。
お正月は特にお家に人を招いたり、また、招かりたりする事が多かったのではないでしょうか?
その際にお出しするスリッパのおはなしです。
記事によると、生活様式が多様化する中で日本人が手放せなかったものに、スリッパがあるそうです。
スリッパの生い立ちは何と、明治初期だそうで、福沢諭吉は著書「西洋衣食住」の中で、
西洋人が家の中で上履きのように使う履物を「スリップルス」と紹介しています。
スリッパの語源は滑る「slipper]を意味する外来語です。
しかし、スリッパは外国製品ではなく日本生まれの履物で、現在スリッパの日本一の産地は
山形県河北町だそうです。
スリッパの歴史はというと
19世紀に開国した日本に西洋の先進技術を伝えるため海外から「お雇い外国人」がやってきたが、
当時は西洋式の宿が十分でなく、はたごや寺社が宿泊先で、靴を脱ぐ文化のない西洋人は
靴のまま畳に上がろうとしてトラブルになっていたそうです。
そこで、困った居留地外国人が東京の仕立て屋さんに頼み、
靴の上から履くオーバーシューズを作ってもらったのが始まりで、
形は今のスリッパとほぼ変わらなかったそうです。
外国の方のオーダーで日本人が作ったのが始まりだったのですね。
その後、日本人も西洋的な暮らしを始めたが、このオーバーシューズを靴の上からでなく
靴を脱いで素足で履いたそうです。
日本人独自のスリッパの使い方がここから始まったんですね。
マナーの研修では、人のお宅に招かれた際に、
靴を脱いでスリッパを履く、スリッパを脱いで靴を履く動作も行いますが、
これは、日本独自のマナーですね。
スマートに出来れば素敵ですね。
日本人は昔から外の地面と家の床を区別して土足で家に入ることに抵抗感があったため、
スリッパが日本の暮らしにマッチしたのでしょうね。
今では、海外から来られた方も日本では靴を脱いで部屋に上がるということは浸透しているようですが、
昔、エリザベス女王が来日した際、畳の部屋に靴を脱いで上がられた事が凄く話題になりましたが、
欧米人にとっては人前で靴を脱ぐという行為は、考えられないことだったのでしょうね。
文化の違いを知ることは相手や相手の国を尊重することになります。
それには、自分の国の文化を正しく知ることが必要ですね。
では、次回もお楽しみに